●4:ものが溜まる場所は定位置に適している

片づけが苦手な方は、ものの定位置を決めようとしても、適切な場所がわからず、そこで片づけが止まってしまうことも。そんなときはものが溜まる場所の近くに収納をつくることで、片づけのストレスが少なくなります。

ついものを置いてしまう場所は、自分の動作動線に合った便利な収納場所。でもものが雑然と積まれていると部屋は散らかって見えるし、なにがあるのかわかりにくくなるので、溜まる場所に近くに、とりあえずはダンボールや紙袋などを使用して収納をつくるだけでも「床にものが散乱する」状況は改善されます。

 

「ADHDは面倒なことは続かないという特徴もあるので、なるべくアクションの数を減らして“投げ込むだけ”や“つるすだけ”という状態に持ち込むことで、続けやすくなります」

ADHD当事者には紙袋などを溜め込むクセのある人もいるかと思われますが、紙袋を利用する手も。厚めの紙袋を内側に織り込むことで、“投げ込みボックス”をつくることができます。

紙袋を再利用してつくった「投げ込みボックス」
紙袋を再利用してつくった「投げ込みボックス」
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紙袋収納を実際につくってみたところ、持ち手の部分を内側に織り込むだけで簡単にボックスが完成。
軽く柔らかいためソファーに気軽に設置でき、子どもが散らかしたお絵かきの紙や新聞をとりあえず投げ込むことで座るスペースを確保。
古びたら気軽に捨てられるうえに、紙袋ストックも減って一石二鳥です。

 

●5:なくしものを減らすために重要ボックスをつくる

ADHDの方は大切なものをなくし、生活上のトラブルも発生しやすくなります。ものをしまうことが面倒で、重要書類もついテーブルの上などに置いてしまいがち。
ですが「重要ボックス」をつくり、大切なものは絶対そこへ入れるトレーニングをすることで、トラブルを軽減することができます。

「書類の整理も、ADHD当事者が最も苦手とされる雑事のひとつ。きれいに分別できれば理想的ですが、整理整頓が苦手なADHD当事者には難易度が高め」と西原さん。

重要ボックスをつくるだけでも、書類をなくす頻度は激減。きれいにファイリングするなどいきなり完璧を求めず、できることから始めてみましょう。