明日のために今日できることはがんばろう…年齢を重ねるほど責任が生まれ、ついがんばってしまいがちです。でも、年齢を重ねるほどに無理が効かなくなってしまうことも。ライター・編集者の一田憲子さんもそんな自分自身と向き合い、がんばることを少しずつ手放したそう。一田さんの文庫『大人になってやめたこと』(扶桑社刊)から一部抜粋してご紹介します。
すべての画像を見る(全2枚)一田憲子さんが語る「今日に余力を残しておけば、なにかに気づく心を持てる」
久しぶりにインフルエンザにかったときのこと。最近の薬はとてもよく効いて、熱は1日でストンと下がりますが、その後が辛い! 体がフラフラして節々が痛く、3日間はなにも喉を通りません。元の状態に戻るまで4~5日かかってしまいました。
「今年こそは、風邪をひかないように!」と手洗い、うがいなど気をつけていた矢先だったので、「はて? どうしたら毎日心も体も元気に過ごすことができるのだろう?」と改めて考えました。
とにかく頼りになるのは、自分の中にある免疫力と自己治癒力しかありません。これを高めるためには、「疲れすぎない」ことと、「寝不足にならない」ことが大事。そこで、普段の生活習慣をもう一度見直してみました。
●ついつい10の力を使いきろうとしてしまいます
私は、どうやら10の力を持っていたら10使いきらないと気がすまないようです。燃料をすべて使いきり、空っぽにしてからパタリと寝る…というイメージ。多少オーバーワークになっても、気合で乗り越えてきました。
もちろん、いつも走り続けているわけではなく、ダラダラもします。夕飯が終われば、テレビを見ながら寝落ちすることもしょっちゅう。ハッと22時頃目覚めたら、またパソコンの前に座り、0時まで仕事をして、「さっき仮眠したし」と、結局寝るのが遅くなってしまいます。
多分、私の中には「この1時間あれば、アレを前倒しして片づけられるし」とか、「明日やるコレを今日やっておけば、明日ラクだし」という思いが常にあり、「やらなくてはいけないことリスト」を一つでも減らしておきたいのだと思います。
でも、これがずっと続くと、夜眠ってスイッチをきったとしても燃料補給が8割ぐらいしかできていないうちに、朝になります。そして、また走りださないといけません。どうにか、9割ぐらいでやめることを覚えなければ…と感じるようになりました。0時ギリギリまで仕事をするのではなく、せめて23時にやめて、残りの1時間は、ゆっくり音楽を聴いたり、本を読んだりしよう…。ということです。
ただし、コレがなかなか難しい。つい「あと、もうちょっと」と、なにかを片づけてしまいたくなります。ほとほと自分が欲張りだなあということに、今さらながら呆れてしまいます。