ぜいたくしているつもりもないのに、なぜか貯蓄できない! そんなESSE読者の家計を、ファイナンシャルプランナーの前野彩さんが見直し。貯まる家計になる方法を指南してもらいました。
毎月の収支は赤字かトントン。貯蓄ゼロ家庭の家計を診断
すべての画像を見る(全13枚)今回の相談者はUさん(32歳)。夫(33歳)、長男(4歳)、二男(1歳)の4人家族です。結婚当初から家計簿はつけているものの、つけるだけで貯蓄に結びつかないのが悩み。毎月の収支はトントンか赤字で、貯蓄はゼロ。
「安心して二男の習い事費を出せるように、黒字が出せる家計にしたいです」と意気込んでいました。
家計簿の金額はあくまでも数字。赤字になっても実感がなく、「ま、いいか」とスルーしがちだといいます。
●Uさんの家計を診断
夫の月収(手取り) 305,000円
児童手当 25,000円
収入合計 330,000円
住宅費 94,000円
食費 70,000円
外食費 10,000円
電気料金 6,000円
ガス料金 6,000円
水道料金 2,500円
通信費
(携帯電話2台分)13,000円
(新聞)4,200円
日用雑費 40,000円
レジャー / 交際費 10,000円
美容院代 4,000円
子ども費
(幼稚園月謝など)14,800円
(習い事)15,900円
(ミルク、おむつ代)4,000円
こづかい
(夫)30,000円
(妻)0円
←check5生命保険料(夫)2,200円
貯蓄 0円
支出合計 326,600円
収支 3,400円
予算の上限がなく、「あれもこれも」でずるずる赤字に
前野さんは、読者Uさんの暮らしのなかにムダ買いを呼ぶ習慣が多いことを指摘。また意外にも妻のこづかいの予算がないことも家計を圧迫する一因なのだそう。上記の6つの問題点を詳しく教えてもらいました。
<check1 食費>宅配サービスで余計なものを注文してしまう
運ぶのが重い米や果物を買うために始めた宅配サービスで、おいしそうなパンやお菓子を見つけるとつい買って出費が上昇。
「宅配のカタログは、見ると欲しくなるもの。ムダ買いが増えるなら、思いきってやめるのも手です」
<check2 日用雑費>「日用雑費」の範囲を広くとりすぎている
洋服代や化粧品代まで日用雑費に入れて、なにがムダなのかわからないまま出費が増加。
「本来の日用雑費は、洗剤やシャンプーなどの日用品+クリーニング代だけ。毎月買わない洋服代は年間で予算を決めて、化粧品代はこづかいから、それぞれやりくりを」
<check3 子ども費(習い事)>近いうちに二男にも長男と同じ習い事をさせたい…
長男はスイミングと英語に通っていて、いずれは二男にも同じことをさせたいUさん。
「現状の家計では、2倍の出費は無理。習い事をやらせたいなら、安心して月謝が出せる家計になるように、ほかの費目のカットを」
<check4 こづかい(夫)>飲み会などで追加のこづかいをお願いされることもしばしば
夫のこづかいは3万円ですが、飲み会や散髪代が必要になると追加のお願いが。
「月の出費が凸凹になると、やりくりがうまくいきません。決まった額でまかなえるように、追加分も含めて、こづかいの予算を見直しましょう」
<check5 こづかい(妻)>妻はこづかいがない分、つい家計から使ってしまう
妻のこづかいがなく、化粧品は日用雑費、ママ友ランチは外食代…と、家計のあちこちから捻出。
「妻にこづかいがないと、かえって家計費は膨らみます。きちんと予算をとって」
<check6 収支>クレジット払いが多いため数万円の赤字になる月も…
買い物はほぼクレジットカードで、使いすぎて数万円の赤字が出る月も。
「カードは便利ですが、使った実感がないのが欠点。ムダづかいしやすい人は、現金主義に戻すのがいちばん」
家計を圧迫する「ズルズル支出」の根源を絶つ!改善ポイント10
出費を抑えるためには、ムダ買いにつながる習慣をあらためましょうと前野さん。
「宅配サービスやコンビニでムダ買いが多いなどのクセがあるなら、それらをやめれば、出費カットになります」
Uさんの家計を改善するポイントを10点挙げてくれました。