●教育論はすばらしいけれど、実態はネットワークビジネスでは?
しかし、気になったのはそのビジネスの構造。「友達のママたちに広めたくなったでしょ」と、言われても、私は友人からお金を取る気にはなれません。
しかもインストラクターになるための費用も、初級の講座こそ私のお小遣いから捻出できそうな金額ではありましたが、ステップアップしていくと30万円を超えるような高額なものまであるのです。インストラクターの資格を取れば、お茶会の費用はすべて自分の売り上げになるものの、それ以外の講座を自分で開催する場合には、4割を胴元の団体へ納めなければならないという仕組み。
お茶会に参加していたママの中には月商7ケタを実現させたという人や積極的にセミナーをしなくても不労収入が入ってくるようになったという人まで。それぞれの成功体験を次々に披露されました。
すべての画像を見る(全6枚)話を聞きながら「これって、ネットワークビジネスではないのかな」と感じたのですが、その団体の教育論がすばらしいと絶賛するママたちに、本音を言えず…。
「子どもの才能を伸ばせるのはママしかいない」とか「自己肯定感を高めてあげられるのは今」と言われてしまうと、すぐに決断したほうがいいのではないかという気持ちにさせられてしまいました。
とはいえ、「私はそういうビジネスはちょっと…」とやんわりお断りして帰ろうとしたときです。「一度お財布を開いた人は、そのあとも2回支払いをするの。お茶会さえ開いてママ友を呼べれば、月10万は稼げるようになるわ」などと具体的な売り上げを言われました。
それって、私が今回、少額とはいえお茶会代を支払ったから、あと2回はセミナーを受けるお客さんとしてカウントされてしまっているんだなと確信し、怖くなって子どもを連れて大急ぎで帰宅しました。
●SNSでは自分がコンサルを受けたことになっていた
あとでお茶会を開催していたママのSNSを見てみると、私が子育てに関するコンサルを受けたお客さんのように紹介されていました。
ただお茶会をすると言われたからおしゃべりをするつもりで出かけただけなのに。あの集合写真のときのみんなの笑顔がビジネススマイルだったのかと思うと、けっこう怖い体験でした。