●父の生きがいを続けるために、お金を生み出す仕組みをつくる

kikiさんには、2人のお姉さんがいます。G3とkikiさんの奮闘ぶりを見ていた次女が「新型コロナウィルスの特別定額給付金10万を私ら3人で出して、新品の生地をどさっと買おう」と言ってくれました。長女も「じーさんへの投資やな(笑)。返ってくる可能性が低いけど」と賛成。「『半額なら…』と一番消極的に賛成したのは、私でした」と笑うkikiさん。3人で15万円を出して、G3のために生地を買うことにしました。「これだけ生地があって毎日何かつくっていたら、おとなしく死ぬだろう」なんて、不謹慎な話までしていたそう。

カバン
縫い上がったがま口バッグはここにかけます。毎日コツコツとつくり、「今日もできた!」という達成感が爽やかです
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一方で、kikiさんにはこんな思いもありました。

「お金がないG3に、今まで何回もお金を出したことがありました。でも、いつも出して終わり。その後、生かされないので、モヤモヤした気持ちだけが残っていました。だから、魚をあげるのではなく魚釣りの方法を教え、G3自身がお金を生み出す仕組みをつくれないだろうかと、常に考えていました。難しいがま口バッグがつくれるほどミシンの実力が上がってきたので、生きがいを続けるための材料費を自力で捻出できないだろうか…」

崖っぷちのG3に、少しだけ光が差し込みました。

 

そんな家族の軌跡を描いたエッセイ『あちこちガタが来てるけど 心は元気! 80代で見つけた 生きる幸せ』(KADOKAWA刊)には、バッグづくりのこと、家族が起こした奇跡などが描かれています。ぜひチェックしてみてくださいね。

あちこちガタが来てるけど 心は元気! 80代で見つけた 生きる幸せ

あちこちガタが来てるけど 心は元気! 80代で見つけた 生きる幸せ

お金も生きがいもない80代の父(じーさん=G3)が、娘(kiki)に頼まれたミシンの修理をきっかけに元気を取り戻していく物語。お金はなくても、体は衰えても、80代の毎日が楽しくなるコツが詰まっています。

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