●経験者である父からのアドバイスって?

小日向文世さん2
すべての画像を見る(全6枚)

――すごい偶然ですね! かつて、オクターヴ役を演じた文世さんから星一さんに、すでになにかアドバイスはされたんでしょうか?

星一:まだ、父からはなにも聞いてないですね…(笑)。

文世:正直、当時のことは全然記憶がないんですよ。初演のときに、シルヴェストルという別の役柄を演じたときのことはよく覚えているんですけど…。

星一:どんなことを覚えてるの?

文世:まだ幼い中村七之助君も舞台に立っていたことかなぁ。彼はまだ小学5年生くらいだと思うんですが、全然緊張してなかったんだよね。そしたら、あるとき1度だけ幕が開いたらすごく緊張した顔をしていて。

「どうしたの?」と聞いたら、お父さんの中村勘九郎さん(当時)が観に来てるって。「大勢のお客さんより、お父さんが来ることの方が怖かったのかぁ…」とほほえましかったです(笑)。

●役者である父がどのように稽古場で振舞うのか興味がある

小日向星一2

――役者さんにとって、お父さんというのは緊張する存在なのかもしれないですね。星一さんは、お父さまの文世さんとの共演にプレッシャーは感じますか?

星一:じつはその反対で、僕自身は父と一緒にお芝居できることに関しては、すごく楽しみです。もちろん父は芝居にはとてもシビアな人なので、僕の演技を見られるのは緊張しますけど。ただ、それ以上に稽古場での父を身近で見られることにワクワクしています

文世:あれ? 昔、稽古場に来たことなかったっけ?

星一:小さい頃に映画のロケとかには連れて行ってもらったことがあるけど、セリフを言うシーンじゃなかったし。稽古を見るのは、今回が本当に初めてなんじゃないかなぁ…。

小日向親子

――文世さんは息子さんの前で演じることにプレッシャーはありますか?

文世:うーん、正直まだピンと来てないですね。ただ、「親子共演なんて照れくさいね」なんて言い合っている余裕がないほどに、役づくりに必死だと思いますよ。串田さんは、やっぱり演出にはすごく厳しい方だし、その串田さんに「やっぱり小日向とやってよかった」と思ってもらえるよう期待に応えたいので。

僕は初演と再演以外は出演していませんが、串田さんにとって『スカパン』はこれまでに何度も演じられて来たライフワークの様な作品です。きっと串田さんの身体に作品がしみ込んでいると思うので、僕らもそれについていけるようにがんばらないといけませんから。ただ、でき上がったものは、きっと素晴らしいものになっていると思います

記事後編では小日向家のルールや、ほっこりするご家族のエピソードをお伺いしています! 9月25日に公開予定なので、ぜひお楽しみに。

 

【公演情報】

スカパン
串田和美 大森博史 武居卓 小日向星一 串田十二夜 皆本麻帆 湯川ひな 細川貴司 下地尚子/小日向文世

9月30日(金)~10月10日(月・祝) まつもと市民芸術館 小ホール、松本城大手門枡形跡広場

9/30はプレビュー公演

ほか、水戸、北九州、神奈川公演あり。

 

50代からの毎日を応援する記事多数!「これからの暮らし by ESSEonline」はこちら