建築費が高止まりするなか、限られた予算での家づくりが難しくなってきています。工務店に勤務し、宅地建物取引士、二級建築施工管理技士の資格も持っている日刊住まいライターは、コストを抑えるために自宅の寝室を4.5畳に。これにより、建物全体のサイズを小さくすることに決めました。1年半住んで思うことをリアルにレポートします。

4.5畳の寝室
4.5畳の寝室でも、子どもが小さいうちは、家族4人で問題なく寝ることができる
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コストを抑えようと悩んだ末、寝室は4.5畳に

南欧カフェ風の平屋

わが家は、アラサー夫婦と長男(7歳)、次男(4歳)の4人家族。1年半前に南欧カフェ風の30坪の平屋を建てました。

冬暖かく、夏涼しく快適に過ごせる住まいにしたかったため、高気密高断熱の仕様に。建築費用は、デザインよりも、機能面に多く振り分けました。できるだけランニングコストがかからない住宅にしたかったからです。

ネット記事を読むと、大半が寝室は6畳以上の広さが欲しいと書いてあります。しかし筆者は、悩んだ末にコストを抑えようと4.5畳に。4.5畳にした理由は2つあります。

1つ目は、家を小さくすることが最大のコストカットであり、空調にも有利だから。2つ目は、6畳の寝室の家にかつて住んでいた際に、6畳の広さを持て余していたからです。

数年前までは、筆者が仕事でクライアントとプランの打ち合わせをすると、6畳か8畳で悩まれる方が多かったと記憶しています。しかし最近では、価値観の変化や資材高騰による価格上昇で、寝室や子ども部屋のサイズは、少しずつ小さくなっているように感じています。

 

建物価格の最大のコストカットは建物のサイズ

建築中の家

昨今のウッドショックなどによる資材高騰で、建築費も上がっています。ですから、限られた予算で、いい家を建てようと考えるなら、お金をかける部分と節約する部分は、しっかり検討しなければなりません。

筆者は検討した結果、寝室を4.5畳にするという決断をしました。寝室を小さくして、その分、建物小さくなるようにプランを。もちろん、大は小を兼ねるということわざにもある通り、寝室が広いに越したことはないでしょう。

 

パントリー

しかし、建物価格の最大のコストカットは、建物のサイズです。仮に1坪が80万円とすると、寝室を6畳から4.5畳にすることで約53万円のコストダウンが可能です。

53万円あれば、ガス乾燥機や食洗器を入れて毎日の家事をラクにすることが可能です。また、憧れのパントリーや、アイランドキッチン実現することも夢ではありません。

 

4.5畳あれば、ダブルとシングルのベッドが置ける!

4.5畳あれば、ダブルとシングルのベッドが置ける

住み始めて1年半になりますが、寝室を4.5畳にしてよかったと思っています。

わが家の寝室は、3マス×3マスの設計寸法で2.73×2.73mの正方形の4.5畳。壁から壁までの内寸有効幅(実際に使える幅)は2.6×2.6mです。

アウトセット引き戸(壁の外側に扉があり、外側で開閉する引き戸のこと)か、廊下側開きのドアであれば、セミダブル(幅120cm)とダブル(幅140cm)がぎりぎり入ります。

ですからこのスペースに、シングルベッド(幅97cm)とダブルベッド(幅140cm)を並べて使用しています。

2つのベッドを並べて置けることで、ご覧の通り、家族4人が寝るだけなら十分なことがわかります。

 

テレビが置けなくても、プロジェクターにすればいい!

寝室全景

わが家のように家族で川の字になって寝る場合、4.5畳のお部屋であればテレビや収納家具、イスや机などを置くことが難しくなります。

 

写す壁

テレビについては、天井づけのプロジェクターを使用すれば、壁に投影して観ることができるようにしています。ただ、寝室でテレビを観ることはないので、今後も必要になることはなさそうです。

収納についても、通路の妨げになりますが、なんとか置くことは可能です。