●釣った魚をおいしいおいしいと食べ尽くすのは、もちろんあの人…
魚を釣るのは好きだけれど、食べるのは苦手なうーちゃんは、骨のない身のところしか食べません。なので丸揚げにする豆アジは全然食べられません。ギンボとソイ、クロダイは食べるかなと思って油で揚げて用意しました。ちょっと味見をしてみようとギンボを指で身をほぐして食べていると、4歳の養子のぽん子ちゃんが現れました。
「なにたべてるの?」
「お魚だよ。食べてみる?」
身をほぐして手渡すとおいしいと言って食べて、手をつけていなかったソイを手に持って身をほぐして食べ始めました。うーちゃんのためにとっておいたものなのだけど、実際のところうーちゃんが食べるかどうか不明です。
ぽん子ちゃんは指で身をほぐして食べていると思ったら、魚にかぶりついておいしいおいしいと言って食べています。
魚を釣ってもだれも食べてくれず泣く泣く自分が責任を取る形で全部食べることもあることを思うと、ぽん子ちゃんがもりもりと、骨だけを残して食べつくしてくれるのは本当にうれしいことです。ソイを食べ終えると、うーちゃんが釣ったクロダイを手に取って、それもほぼ骨だけを残して食べてしまいました。
うーちゃんは自分は食べないくせに、ぽん子ちゃんが食べたと知ったら怒り出すのは間違いありません。豆アジも僕とぽん子ちゃんで食べ終えてしまったので、魚を調理したこと自体なかったことにしました。幸い、うーちゃんから釣った魚がどうなったのか気にする様子はありませんでした。
●みんなで海水浴。だれよりも騒がしいうーちゃん
海水浴にはぽん子ちゃんと2回遊びに行っていて、うーちゃんは誘っても応じてくれません。お盆が来るとクラゲが出るのでもう終わりです。もう最後かもしれないとうーちゃんを誘ってみたところ、渋々OKしました。
その日は気温が34℃もあって、そんな日に水に入るのは涼しくて最高に気持ちがいいので、うーちゃんにもそんな気持ちよさを味わってほしい。いつも行っていたビーチはゴミがあるから嫌だというので、そこより少し遠いビーチに行きました。
ぽん子ちゃんは前回行ったときに浮き輪を買って、上手に浮かんで遊びます。うーちゃんは僕にしがみついてキーキー言って興奮しています。
「こわい! こわい!」
と言いながらも楽しそうで、ビーチにいるだれよりも興奮している様子でした。ぽん子ちゃんに浮き輪を貸してもらったらと言うと、ディズニープリンセスの浮き輪は恥ずかしいようで、僕も男の子の浮き輪がほしいと言いました。迷彩の浮き輪がいいそうです。
1時間くらい海で遊んで、かき氷を食べて帰りました。お盆の前にもう一度、次はうーちゃんも浮き輪があれば、喜んで誘いに応じてくれることかと思います。
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