私たちの暮らしに欠かせない電気。発電所から生まれた電気を各家庭に届けるのは、鉄塔や電柱、電線を整備する「送配電事業」があってこそ。そんな電気を届け、電力の安定供給を支える仕事について辻元舞さんが学んできました。そして今年も「つなぐ・ホッとする」をテーマに、ふと目にする日常の風景にある“電柱・電線・鉄塔”を撮影したフォトコンテストも開催します。身近な電柱や電線、鉄塔に目を向けてみましょう!
いつでも安定して使えるってすごい!電力を支える現場をレポート
●辻元 舞さんが伺ったのは「東京電力総合研修センター」
辻元舞さん
モデル、タレントとして活躍中。絵画の技術に定評があり、毎年行われるフォトコンテストでは審査員を担当。プライベートでは2人の男児のママ。
伺ったのは、送配電事業者の人材育成、技術向上を担う研修所。約27万4000㎡の広大な敷地の中で、多くの技術者が専門的な知識や技能を習得しています。
教えてくださったのは、東京電力パワーグリッド株式会社 配電運営技術訓練グループ 廣川しおりさん。入社6年目にて新入社員の技術指導を担当。千葉県の事業所で電柱や電線等の保守、保全を行っています。
辻元さん(以下、辻) 広い研修施設ですね。ここでは普段、どんなことが行われているのですか?
廣川さん(以下、廣) おもに人材育成です。配電保守部門では広域停電や設備トラブルに備えて、繰り返し模擬訓練を行っています。
●安全確保と作業のための重装備で電柱に昇っている
安全帽、フルハーネス、重そうな工具ベルトを装着。さらに作業着は、難燃性の素材で夏でも長袖。
「涼しくはないですね…(苦笑)」と廣川さん。
辻 電柱での作業は高所に加えて、高圧線も通っていて危険と隣り合わせの仕事ですよね…。これまでにとくに大変だったことはありますか?
廣 大変だったのは、2019年の大型台風(令和元年東日本台風)の直撃を受けたときです。私が所属する事業所エリアにある電力設備に甚大な被害が出ました。
長期にわたっての復旧作業になりましたが、一刻も早く電気を届けたい気持ちがある一方で、なかなか復旧が進まず、歯がゆい思いをしたことを覚えています。
辻 電線が切れるようなトラブルは、むしろ台風や突風などの悪天候のとき…。今日みたいに天気がいい日ばかりとは限らないから過酷な状況での作業となりますよね。
廣 雨でも風でも一刻も早く皆さんに電気を届けなくてはならないですから。困ったときに駆けつけられるよう、事業所では24時間体制でいつでも待機しています。
辻 大変なお仕事ですが、やりがいはどこにありますか?
廣 停電の復旧作業後に「ありがとう、本当に助かった」と直接感謝の言葉をいただけると、とても励みになり、仕事の達成感につながります。
辻 私たちが電気を使うときに心がけるべきことはありますか?
廣 節電の意識をもっていただくだけでもありがたいです。そして、もし近くの電線や電柱に異常を見つけたら、迷わずに電力会社にいつでも連絡をください!
辻 台風の日も、今日のような暑い日も、24時間電力を支えてくれる方たちがいるからこそ、私たちの暮らしが成り立っていることを改めて知ることができました。
●高圧線もある高所作業は危険と隣り合わせ
電柱の上は、高所に加え6600ボルトの高圧線が通る危険な場所。マジックハンドのような工具(間接活線工具)を駆使して、安全を確保しながら作業を行っています。
辻 電気が家に毎日届くことは当たり前じゃないですね。
廣 暮らしのそばにある電力設備を守り、安定した電力供給に努めています。
電柱は約12mの高さ。「足場よし!」と確認しながらスルスルと昇柱する廣川さん。その姿に辻元さんも「頼もしくて、かっこいい!」と感動。
●作業責任者と作業員の相互で安全確認を怠らない
常に安全かつ迅速に停電を復旧するためにベストな方法を考えているそう。
また、ときには高所作業車を使用せず体ひとつで昇柱し作業することも。
●節電のために知っておきたい!暮らしを支える電気の気になるギモンQ&A
教えてくれたのは、電気事業連合会 広報部 大蔵崇史さん。
Q.急激にエアコンの使用量が増える猛暑日は、電気がたりなくなることはないの?
A.前もって必要となる電気の量を想定し、一定の予備力を確保しながら、安定して電気を届けられるように努めています。ただし、今年は電力供給が大変厳しい状況ですので、無理のない節電にご協力をお願いします。
Q.家庭ですぐにできる節電方法はありますか?
A.毎日使う冷蔵庫やテレビの設定を確認、設定を少し変えていただくのも効果大です。
冷蔵庫の設定温度を「強」→「中」にした場合、消費電力の削減量:61.72kWh、CO2の削減量:30.1kg、約1670円の節約(年間)。
テレビ画面(32V型)の輝度の最適「最大」→「中間」にした場合、消費電力の削減量:7.10kWh、CO2の削減量:13.2kg、約730円の節約(年間)。
フォトコンテスト開催「日常の風景にある電力2022」
「つなぐ・ホッとする」をテーマに、ふと目にする日常の風景にある“電柱・電線・鉄塔”を撮影した写真を大募集。応募方法は、規定のハッシュタグを2つをつけて写真をインスタグラムへ投稿するだけ!
■ハッシュタグ
(#日常の風景にある電力)+(#電柱電線 or #鉄塔)
■応募締切
2022年9月19日(月・祝)
●昨年の受賞作品
●コンテスト審査員
鉄塔部門 藤村里木さん(鉄塔風景写真家)
「身近な鉄塔や電線の存在が、私たちの日常を支えていることを感じながら見てほしいと思います」
電柱・電線部門 石山蓮華さん(電線愛好家)
「どんな日もすぐそこにいる電線は、見れば見るほどユニークな姿です。気軽にご参加ください!」
ゲスト審査員 辻元舞さん(モデル)
「今回の取材から、これまでとは違った視点で電線などの写真を見られる気がして、審査が楽しみ」
感染症に配慮し、撮影時のみマスクを外しています。
協力/電気事業連合会 https://www.fepc.or.jp/
ワンピース¥49500(エスロー/エンケル) ピアス¥46200(アサミフジカワ)
リング(細)¥121000(アルティーダ ウード) 靴¥23100(ノヴェスタ/ノヴェスタ ジャパン)