くつろぎのためのリビングと食事を楽しむダイニング。このふたつは、家のメインともいえる空間です。では間取りにおいて、この双方はどういう位置関係にあるとよいでしょう。「一体感」と「分節感(ここでは、「分かれている感じ」ということにしておきます)」のいずれを重視するかで、正解は変わります。リビングとダイニングの間取りについて、一級建築士の新井崇文さんが解説。自身の設計した事例を交えて、タイプごとの特徴をご紹介します。

リビングとダイニングを一体のワンルームとした事例
リビングとダイニング、分けるor分けない?
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リビングとダイニングの一体感を重視する間取り

リビングとダイニングを一体のワンルームとした事例

まずはリビングとダイニングを一体のワンルームとした事例です。

このお宅では、南側の庭に面して、リビングとダイニングを一体のワンルームとしました。

 

イニングの丸テーブルが生活の中心に

リビングとダイニングを一体のワンルームにするメリットは、空間が広々として感じられること。このお宅は、ダイニングの丸テーブルが生活の中心になるように設計しました。テーブルがリビング・ダイニング・キッチンを含めたワンルームの中央にあるので、ダイニングのチェアに座っていると、のびやかな空間の心地よさを感じることができます。

 

庭と室内の一体感や開放感ある間取り

この家の南側には、庭があります。リビングとダイニングを一体のワンルームにすることで、この庭に面して、幅広の大きな窓を設けることができました。部屋全体によどみなく光が届き、明るく心地よいリビング・ダイニングに。庭と室内の一体感や開放感も楽しめます。

もし、リビングとダイニングが一体でなかったら…。間仕切り壁などの存在によって、大きな窓はつくれなかったでしょう。

 

リビングとダイニングが一体

もうひとつ、別のお宅をご紹介。このお宅も、リビングとダイニングが一体のワンルームとなっています。

 

南側のリビングから射し込む陽ざし

このお宅は、南側がバルコニーに面するリビング、北側がダイニングという配置になっています。一体のワンルームになっているため、北側のダイニングにいても、南側のリビングに差し込む、太陽の光を感じることができます。

 

テレビがリビング・ダイニング双方から見やすい

リビングとダイニングを一体のワンルームにすると、1台のテレビをリビング・ダイニング双方から見やすいといったメリットもあります。じっくりと落ち着いてテレビを観るときはリビングのソファで、食事をしながらテレビのニュースも観たいときはダイニングで。そんな具合に、生活のシーンに対応できます。