●子どもは3人ほしい!妊活のためのセックスでむなしさが募る

私たち夫婦はお互い、3人きょうだいの第1子。生まれ育った家庭は、どちらもバランスがよく取れていたので「子どもは3人ほしいよね」と話していました。
排卵日が近づき「今日かも…」というと、子づくりのためのセックスにはすんなり応じてくれる夫。ただ私としては、理由がなければ本当にいつまでもセックスしないつもりなのかな…と虚しさや悲しさを感じました。

しかし、回数をそれほど重ねていないにも関わらず、結婚2年目のときに男の子、その2年後に女の子が誕生しました。子育ては大変で夫ともケンカをたくさんしましたが、それでも2人の子どもからもたらされる幸せな時間に毎日満たされていました。

それからさらに2年が経った頃、私は、当初の計画通り、もう1人ほしい! と思っていたのですが、夫は「都心で3人育てるのは大変だ」と言い出したのです。このときばかりは、「話が違う!」と私も自分の意見をしっかり主張し、結果的に思いっきりもめましたが、最後は夫が折れてくれました。そして、タイミングをとったらすんなりと3人目を授かることができて、こんなにレスが続いていても妊活をこじらせずにすんだのは、本当に奇跡だったと思っています。
元気な男の子の誕生に喜びいっぱいだった私ですが、この3人目の育児をしているときに、私の体とメンタルは知らず知らずのうちにボロボロになっていきました。

マタニティーブルー?産後うつ?涙が止まらず大混乱

産後うつ
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3人目を出産してから、私は泣いている日が増えました。ホルモンバランスの変化もあったと思います。待望の3人目の子どもを授かって心では喜びいっぱいなのに、なぜか涙がどんどんあふれてくる…。

●これはマタニティーブルーじゃないかも…。長引く涙のワケ

1人目や2人目のときも、少なからず感情の乱れはあったので、これはマタニティーブルーがきてるな…と思って我慢して時間が過ぎるのを待っていたのですが、3週間経っても、4週間経っても、あふれ出る涙がおさまりそうにありません。

そんなある日、ついに夫の前で「なんだかわからないけれど、涙が全然止まらないの。もう死にたいかも…」と感情が大爆発。すると夫はびっくりして「なにそれ? 産後うつじゃない? すぐ調べるから待ってて」と言って、1時間ほどすごい真剣にパソコンを見たり、あちこちに電話していたりしました。

わけがわからず待っていると、「“宿泊型産後ケア”の施設を予約するから、ここに行っておいで。予約できるまでの間はひとまずお互いの両親に交代で来てもらうことにしたから。今はしっかり体を休めなさい」とテキパキ動いてくれたのです。

●私がピンチのときは、すぐに行動に移してくれた夫

私は精神科で診断をされたわけではありませんが、たぶんあのとき、深刻な産後うつの状態に陥っていたのだと思います。夫が電話で両家の親に根回ししてくれたおかげで、翌日から私は育児も家事もすべてストップ。横になって体を休めることができました。

そして、夫が区の産後ケア事業の担当者に事情を説明して、ほどなくすると助産師さんが24時間常駐している宿泊型産後ケア施設の利用が可能になり、すぐに予約を取りました。区から補助がでる一週間まるまる、いちばん下の赤ちゃんを連れて、宿泊型産後ケア施設(私の場合は助産院でした)に入院することになったのです。その間の上の子たちのお世話や家事は、引き続き双方の親と夫が対応してくれました。

私が利用した宿泊型産後ケア施設での生活は、朝昼晩の栄養たっぷりな食事に加えて、おやつや夜食も出てきたり、母乳マッサージも毎日してもらえて、赤ちゃんが寝たら一緒に眠り、赤ちゃんが起きたら一緒に過ごすというだけのゆっくりとしたもの。3人目なのに、こういう施設があること自体を知らなかったです。

自分がお風呂に入るときは赤ちゃんを助産師さんに預けられるのでゆっくり入浴をすることができたり、逆に赤ちゃんの沐浴は助産師さんにお願いしたりすることもできたのもよかったです。赤ちゃんが泣き止まないときには、助産師さんが抱っこを変わってくれてご機嫌をとるコツを教えてくれたり、メンタル面も体力面も、徹底的なプロのサポートが入ったおかげで、死にたいというネガティブな気持ちがスッと抜けていきました。代わりに湧き上がってきたのは赤ちゃんのかわいさ。

そして、私たちの夫婦生活にセックスはなくても、確かに支えられているんだなと実感しました。夫なりに私の状況を察知して、すぐにできる限りの行動を全部してくれたことは今でもすごく感謝しています。