「バリアフリー住宅は、高齢者や障害者のためだけのものではありません」。そう語るのは、自身もバリアフリー住宅に暮らす、理学療法士の松下友貴さん。同居する高齢者はいませんでしたが、家族が長く暮らすために、あえてバリアフリーの家づくりをしました。出産を機に、バリアフリーが子育てにもメリットがたくさんあることを改めて実感。とくによかった3つの点について語ります。
すべての画像を見る(全5枚)ポイント1:車イス用のスロープは、ベビーカーにも優しい!
筆者宅は、玄関までのアプローチとして車イス用のスロープを設置しています。スロープは、車イスが通れる幅を確保し、安全な1/12勾配(高さ1mを12mかけて上る勾配)に。
この車イス用のスロープが、子どもの散歩にベビーカーを使用する際にも役立っています。もしもスロープがなかったら、外出の場合は「階段下にベビーカーを置く→ 子どもを抱き上げて玄関の鍵を閉める」ことになります。
わが家は、スロープがあることで、玄関の土間で子どもをベビーカーに乗せてから移動することが可能に。玄関の鍵の開け閉めも、ラクに行えます。
また、屋内で乗せたまま外出できるので、屋内でベビーカーの日よけもセットできて便利。子どもを強い日差しにさらすこともありません。
帰宅したときも、玄関土間までスロープで上がれるので、ベビーカーの片づけがスムーズ。車イスの幅よりもベビーカーの幅の方が狭いため、ゆとりのある操作が可能です。スロープの袖壁にプランター植物を育てていますが、問題なくベビーカーの使用ができています。
ポイント2:リビング隣の段差のない和室は、ベビーベッドの置き場所に最適
高齢になり1階のみで生活する将来を想定し、リビング隣に4.5畳の和室を設置しています。
出産前は客間として使用していましたが、今はベビーベッドの置き場所として重宝しています。バリアフリーを意識し、段差のない続き間にしたことで、部屋をまたいでベビーベッドを置くことができるからです。
この場所に設置することで、日中はリビングから、夜間はふとんを敷いて寝ている和室から、子どもの様子を見ることができます。
和室には押し入れがあり、現在はベビー用品を収納する場所に。また、子どもの着替えやオモチャなどの収納にも役立っています。わざわざベビーたんすといった収納家具を用意せずに、部屋を広いまま利用できていることも、うれしいポイントです。
ベビーベッドを卒業したら、和室にふとんを敷く予定です。ベビーベッドからふとんに変更しても、和室に家具を置かない状態をキープできそう。子どもの安全面から考えても、また、部屋が4.5畳しかなくても広く使えるのは、大きなメリットです。