感染者が増え続けている新型コロナウイルス。各国で3回目や小児ワクチンの接種が行われていますが、気になるのは副反応。今回は、アメリカ・シアトル在住のライターのNorikoさんに、一足先に終えたブースター接種(3回目の追加接種)と5歳以上の小児ワクチンについて第2弾のレポートをしてもらいました。

前回記事

コロナ感染者数が増え続けるアメリカ。現地での“今”をレポート

アメリカの子どもたちを取り巻くオミクロン株の脅威

シアトル学区では感染対策を徹底したうえで対面式授業が本格再開した昨年9月から、各地区、各校の新型コロナ陽性者数を子ども、スタッフ別に集計し、オンラインで公開しています。

当初、心配された感染はそこまで多くなく、各校で多くて数名にとどまり、市内全体でも数十人程度でした。しかし、シアトルのあるワシントン州で12月4日に初のオミクロン株感染者が確認された直後の集計では、一気に139人と前週から倍増。昨年末までに推定9割近くがオミクロン株に置き換わり、高校生のレスリング大会ではクラスターも確認されて大騒ぎになりました。

●猛威を振るう“オミクロン株”

ワクチンの列
感染急拡大で無料検査場は連日長蛇の列
すべての画像を見る(全4枚)

そして年が明け、最初の週の集計では陽性者803人と目も当てられない状況に。ドライブスルーの無料検査会場はどこも行列でついには受けつけに制限がかかり、現場のスタッフ不足、感染対策などを理由に、再び一時的にリモート学習とする学校が続出しました。

これを受け、シアトル学区では新しいガイドラインを策定し、「小学校では児童の欠席が50%近くに、あるいは児童と職員の10%が陽性になった場合、10日間までのリモート学習を検討」、「中高では生徒の欠席が40%近くに、あるいは生徒と職員の10%が陽性になるクラスが複数あった場合、10日間までのリモート学習を検討」、「シアトル学区内の全校で25%がリモート学習となった場合、学区全体でのリモート学習を検討」などと、発表しています。

また、安全性に危機感を覚えるシアトル学区の生徒の一部がさらなる感染対策を求めて集会や署名活動を行う様子をメディアで目にするようにもなりました。

●ブースター接種の副反応は?

12歳以上のブースター(3回目接種)対象者の接種率はアメリカ全体でやっと50%を超えたところです。

昨年11月の一般成人接種開始から予約が取りにくい状況が続いていましたが、オミクロン株の流行する中、都市部で大規模接種会場がオープンし始め、接種対象も段階的に12歳以上と拡大され、少しずつ接種が進んできています。

私がブースター接種を受けたのは12月上旬。政府が用意した検索サイトで見つかる接種会場は限られるうえに、すぐに予約でいっぱいとなっていました。検索サイトにはない病院でブースター接種を受けられると知り、いったんは12月下旬の日程でオンラインにて病院のウェブサイトから予約。その後、近所の予約不要のコミュニティー・クリニックの薬局でも接種可能と聞いて電話で問い合わせ、前倒しで受けられることになりました。

副反応を警戒し、1回目、2回目と同様、休みの前日の夕方に3回目接種のためにクリニックへ。1回目と2回目はファイザー社製で、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可ではなく正式承認を受けているファイザー社製を3回目も希望していたのですが、同時期に始まったファイザー社製小児ワクチン接種の影響か品薄だったようで、モデルナ社製しか受けられないとのことでした。

交差接種でも安全性、有効性は問題ないと聞いていましたし、これを逃すとまた接種が先延ばしになってしまうと思い、3回目はモデルナ社製の接種を承諾。ワクチン接種証明を記録するカードにも、交差接種を受け入れた証としてサインをしました。

接種証明書

モデルナ社製の交差接種には少しドキドキしましたが、接種時も、接種後15分の待機時間も、とくに副反応を感じることはなく終了。その日は念のため、早めに夕食を取り、就寝準備をしました。

私の場合、1回目は接種当日夜に少し倦怠感を覚える程度で、2回目は接種当日夜から翌々日の朝まで同じく倦怠感、そして頭痛、吐き気、熱っぽさがあるとともに、筋肉の痛みも腕だけでなく体のあちこちで感じました。

この3回目はというと、接種当日に副反応らしき症状はなく、2日目に軽い倦怠感と頭痛、吐き気、熱っぽさ、若干の筋肉痛のような痛みが接種部と全身のあちこちに感じられる程度でした。食欲は普通。たとえるなら、1回目と2回目の中間くらいでしょうか。

同じくブースター接種を受け、1回目と2回目がファイザー社製、3回目がモデルナ社製の交差接種というアメリカ人の夫も、大きな副反応は見られませんでした。

夫の場合、私とは逆に1回目がひどく、2回目はそうでもない副反応で、3回目は1回目と2回目の中間くらいとのことでした。周りの声を聞いても同じような感じで、3回を通じて程度も症状も人それぞれの中、1回目と2回目の中間、もしくは少なめ、全く症状のなかった人もいます。やはり2日目は多少しんどいことを予想し、仕事を入れないようにスケジュールしておくのが望ましいでしょう。