各国で猛威をふるうオミクロン株。日本でも感染者数が増え続け、3回目のワクチン接種を前倒しする動きが出てきました。では、日本よりも感染者数が多いアメリカではどのような状況になっているのでしょうか? 今回は、アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、新型コロナ対策としてブースター接種と小児ワクチン導入が進むシアトルからのレポートしてもらいました。
記録的な寒波とオミクロン株のダブルパンチで大混乱
クリスマス、元日と休暇が続く年末年始には、日本と同様に家族で集まる習慣のあるアメリカ。そして旅行シーズンともなります。
新型コロナウイルスの流行ですべてが台無しになった前回(20-21年)の年末年始でしたが、「ワクチン」という対抗手段を持った今回は、全米規模で恒例の大移動が復活。これは、3回目接種(ブースター)、そして5歳以上の小児ワクチン接種が進んだことも背景にあります。
ようやく訪れた家族の再会、そしてバケーションの機会に喜んだのもつかの間、待っていたのはオミクロン株の猛勢と、交通機関のまひでした。クリスマス休暇明けと重なる12月26日にシアトルを含め、カリフォルニアまでアメリカ西海岸一帯が大雪に見舞われ、高速道路は凍結や視界不良による事故が多発。空の便も欠航が相次ぎ、家に帰れず現地で足止めとなる人たちであふれました。
記録的な寒波による大雪は1月7日までに中西部、南部、東部をも直撃。しかも、フライトは感染者急増による乗務員不足により、年が明けても各航空会社で減便傾向が続いており、旅行者の足に影響が出ました。
●ブースター(3回目接種)と小児ワクチン接種で変わる?
すべての画像を見る(全4枚)昨年11月から開始された一般のブースター接種と小児ワクチン接種ですが、わが家も12月に親子3人それぞれ終えました。小児ワクチンについては、その安全性に懐疑的な声も多く聞かれ、受ける人は限られるのかもと思われたのですが、ふたを開けてみれば希望者が殺到して予約がなかなか取れない状況。
うちの場合、もともと子どもは地域の小学校、中学校などで接種を受けられるという話だったため、のんびりとその日程が出るのを待っていたのですが、いつまで経っても予約サイトは更新されず…。どういう基準なのか、うちの近所はあと回しにされているようで、やっと日程が出たと思ったら、「やっぱりワクチンを確保できないために延期します」との知らせが。
業を煮やし、病院で予約をしようと動いたときにはあとの祭りで、すでに予約待ち1,000人と聞いて諦めました。学校によっては、最短の日程で受けられなくても複数の予約機会があったとも聞き、不公平感は否めません。用意されるワクチンは限定数のみで、供給は地域によって偏りがあり、しかも早い者勝ちだったということですね。