●老いを受け入れると、気持ちがラクになる

買い物をする女性
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実際、奥田さん自身も老いを受け入れてから、気持ちがラクになってきたと振り返ります。

「私自身、50代の大台に乗ってからは、『どうあがいても老化を認めざるを得ないな』と開き直るようになりました。すると、『女性とはこうあるべきだ』といった性別の縛りや人の目からも解放され、気持ちが随分軽くなってきました。ファッションにしても、自分が本当に心地よいものを身につけられる。すっごくラクだし楽しいですよ。

そして、こう考えるようになりました。『年を取ることで、若さが失われる反面、得られることもたくさんあるのだ』と。私の場合、気負いや無駄な抵抗がなくなり、気楽さを得られました。

もちろん、一切オシャレやお化粧をするな、とは言いません。自分がご機嫌でいられる程度に、ほどよく楽しんで行くことが大切です」(奥田さん)

キレイになれば、自然と気分が上がり、前向きになれる。オシャレやお化粧の目的は、人からの評価ではなく、あくまでも自分自身の気持ちを上げるため。そう割り切れば、“アンチエイジングの苦しみ”にとらわれずにすむのではないでしょうか。

 

●シミやシワが“プラス”に働くことも

家族
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中村さんは、シミやシワについても、ポジティブに捉えることができる、と話します。

「外来で患者さんにアドバイスをする時に、同じアドバイスをしても40代の頃に比べて確実に受け入れてもらいやすくなりました。その理由は、顔のシミやシワの一つ一つが説得力を持っているから」(中村さん)

『シワは人間の年齢』とも言いますが、年齢を自然に受け入れ、老いを前向きに捉えることはとても大切なこと。

「中村先生とは長くお仕事でご一緒していますが、見た目や自分自身を着飾ることに対し、驚くほど欲がない。だからこそ、いつも心が穏やかで、柔和な雰囲気のお年寄り顔になっていかれたのだと思いますね」(奥田さん)

老いへの対抗意識を手放すことで、好きなものを着られる居心地のよさ、心の穏やかさを手に入れられる。それが幸福感につながるならば、老いを受け入れることも怖くなくなるはずです。

 

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