ペットの柴犬の写真をツイッターに投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている@inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。第42回は、犬と過ごした年末年始についてです。
犬と過ごした目映い2021年の1年間を振り返る
●2021年12月31日 大晦日
朝起きて布団から指先だけを出し携帯を触っていれば、外気によって指先が冷える。そして指先を握りしめながら向かうは犬のもと。今年の冬は私も犬も遅起きで、犬はまだ夢の中にいた。
すべての画像を見る(全29枚)私の気配を感じてまぶたがゆるやかに少し開いたが、うつらうつらとしていた。
犬の脇やほほに触れたらぬくもりが伝ってくる。眠る犬はぬくい。犬にとっては迷惑千万だろうが、朝一番は犬で暖を取るのが習慣となっている。
大晦日の朝は強い風が吹いていた。
寒さと乾燥で生理的な涙が拭うのも面倒なほど流れた。大量の涙を垂れ流しながら犬のあとをついていく。犬は寒くないのかと不思議だが、やはりお散歩に行くとイキイキとする。
このときも強風に吹き飛んでいく枯れ葉を追いかけては捕まえていた。
散歩から朝ごはんのあとは2021年のシャンプー納めだ。嫌がりながらも洗わせてくれる犬はえらい。シャンプーのときだけでなく今年もたくさんえらかった。お湯で泡をすすぎながら一年間の賛辞と感謝を込めた。
妹と二人掛かりでドライヤーとブラッシングをしていると、後頭部を乾かしていた妹が「ふふ、頭もお尻もブラッシングされて極楽~って顔やなぁ」と笑った。
「おばあちゃんがよく“みーちゃんに抱っこされてるとき犬はサイコゥ~って顔してる”って言うてたの思い出したわ」と言うと、「おばあちゃんの最高の言い方が絶妙やったんよな」と、二人して昨日も聞いたかのような口ぶりで話した。
シャンプーを終えてからはしめ縄を完成させたり、もちつきの機械でこねられたもちを丸めたりとお正月の準備に取りかかった。大晦日には準備万端であるべきかもしれないがうちはうち。
犬はせわしない人間に気まぐれに寄り添ったり、ときには現場監督のように見回したり。
つきたてのおもちを入れたぜんざいがとてもおいしかった。