準備を終えて15時頃、一息ついていたら睡魔がやってきた。
こたつ布団の上で寝息を立てる犬の隣で横になったところで記憶はぶつりと途切れた。目を覚ますと30分ほど経っていた。
やけに左手が温かいなぁと違和感をもてば、私の左手のひらに犬の両手が包まれていた。私たちは手を繋いだまま、包み包まれたまま、眠っていたようだ。
すべての画像を見る(全29枚)珍しい。
日頃一つの部屋で眠りはすれど、ここまでくっついて、熟睡するのはない。そして魔法のような深い睡眠体験だった。なにも心配いらないような安らかな眠りは、うんと小さな頃に祖父母と変な川の字になってお昼寝していた記憶が呼び起こされて少し泣いた。
犬に流れている時間はなんだか不思議だ。生まれてまだ7年しか経っていないのに、犬を通して祖父母との20年前の思い出と邂逅する。
夕方の散歩では瞬間的に雪が降ってきて、たちまち犬の背中にも砂糖をまぶしたような雪化粧が施された。まるでお菓子の鈴カステラのような色合いだ。
帰路に着くと、なんとなんと親戚家族が犬にプレゼントを持ってきてくれた! 年の瀬、犬に贈り物をしてもらえるなんて、これ以上うれしいことがあるもんか。
代わりにプレゼントを開ければ犬用のごちそう御膳とおでんが入っていた! ありがとうございます!
御膳には犬おみくじと、犬が好きそうなジャーキーやおやつが何種類も入っていた。たくさん歩いて帰ってきたらこんなごちそうにたどり着けるなんてよかったねえ。さっそくいただいてご満悦そうである。
気になった犬用のおでんもさっそくいただきます! お皿に盛りつけてレンジで500W20秒。人用に比べて味つけがかなり薄いだろうに、温めると控えめにしかし確かにおでんのにおいが台所を包んだ。
かたまりは消化できないかもしれないから細かく刻んでどうぞ。
おいしかったようで写真を撮る間もないほど、大根もこんにゃくもさつま揚げも全部食べて、しめのスープまでたいらげました。
晩御飯を食べ終えた犬はいつもの定位置でごろんと横になると、紅白が流れるかたわらでぐっすりと眠った。