●道具はそろった。さあ少年野球へ…?
そうして、プラスチックのバットと柔らかいボールでバッティングをして、金属バットで素振りをして1時間くらい遊びました。
「じゃあ、そろそろ9時だから少年野球行こうよ」
「僕行かない」
え? 何度誘っても頑として少年野球は嫌だと言います。そのくせ野球がしたりないなどとも言うので「だったら少年野球に行こうよ」と言うとそれは嫌だと言います。
うーちゃんは、じつはすごく気位が高くて、おそらく自分が少年野球では一番下手なのが我慢できないのです。上手になるためには練習をするしかないのに、練習をすると下手な姿をさらすことになり、みっともないからしたくないのです。
1年生なんか下手で当たり前なので、いくら下手でも気にせず練習に励めばいいし、1年生からチームになじんでいれば後々ずっとラクにできます。
お絵描きもそうで、学校でうーちゃんが描く絵はとても小さく委縮した絵です。子どもの絵なんか、なにも気にせず自由にのびのびと描けばいいのに、むしろそれが魅力なのに、下手なことがバレないようにするためだけに描いているような印象です。
下手だから練習しないのではいつまでも苦手を克服することができません。長所を伸ばせばいいと言う説もありますが、そうは言ってもキャッチボールなど基礎の基礎が苦手なままではどうしようもないではないですか。気位が高いなら、その気位に見合うくらいのガッツを見せてくれよ。
無理強いするとハラスメントになるのでそれ以上は言いませんでしたが、せっかくグローブを買ったのに少年野球に行かないなんて、一人で勝手に喜んでいたみたいでなんだかとってもがっかりしてしまいました。
それっきり少年野球には行かなくなってしまいました。また行きたいと言ってくれるといいなあ。