●一般病棟に移り、口から食事ができるようになると、どんどん元気に
一般病棟に移ったのが12月22日。入院から1か月以上たっていました。
「クリスマスまでに退院したいと思っていましたがかなわなくて。一般病棟になり、口から食事ができるようになってからは、体がどんどん元気になっていき、食事の大切さを身にしみて感じました」
すべての画像を見る(全10枚)「初めて口にしたのはゼリーでしたが、本当にうれしくて泣けてきたのを覚えています」
次のステップの食事も、飲み込む力もなくなってしまっていたので、すべてミキサーにかけとろみがついています。
「飲み物もすべてとろみをつけて飲んでいました。とろみをつけないと、気管に入ってしまい誤嚥(ごえん)性肺炎を起こす可能性があったため、先生の指導のもと食事をしていました」
「普通の食事を食べられたときは、うれしくて、うれしくて泣きました!!」と橘さん。
●「生きていてくれて、ありがとう」「命をつないでくれて、ありがとう」
橘さんは1月9日に退院。東京は新型コロナの急拡大に対応し、1月8日に第2次緊急事態宣言が出され、病床もひっ迫し始めた頃でした。
「退院前に偶然にICUの看護婦さんに会えたときに、『橘さんが立っている!』と喜んでくれました。お医者さんにも『元気になって顔を出してもらえると、僕らの励みになる』と言ってもらえて、とてもうれしかったですね」
治療中は腎臓の数値も上がったり下がったりで、落ち着くまでは、ベッドに寝たきり。腕も上がらず10cm先のコップも取れないような状態だったという橘さん。
「看護婦さんがなんでもお世話をしてくれて、本当に感謝の念でいっぱいで言葉にはできないくらい。命をつないでくれてありがとう、としか言いようがありません。
先生からは『運ばれてきたときは、ほとんど死にかけている状態だった。今、生きてくれて、本当にありがとう』と言われて、胸に突き刺さりました」