家計を見直して節約したい項目として「食費」が浮かぶ方も多いのでは?
「食材のムダを見直せば、食事の質を下げずに今より食費を減らすことが意外と簡単にできますよ」と話すのは、節約術や時短家事術を雑誌やSNSで発信する家計改善コンサルタント・アドバイザーの高木瞳さん。
在宅時間が長くなかなか節約が難しいこの時期でも、無理なく食費を抑える方法を教えてもらいました。
冷蔵庫の在庫やストックを見直せば、食費は無理なく下げられる!
結婚当初は貯金がほとんどなく、まさにゼロからのスタートだったので、貯蓄を増やすためさまざまな節約法を試しました。
食費に関しては、安いときにまとめ買いしてみたり、冷凍保存したり、業務スーパーで大きな調味料を買ってみたり…いろいろな方法を試してきたのですが、その中でいちばん結果が大きく出るのは「食材をムダにしないこと」だと気づきました。とっても基本的なことなのですが、それだけで食費は下がります。
すべての画像を見る(全9枚)●(1) 買い物前には「冷蔵庫デトックス」
何年も食費節約に取り組んだ結果、まずは「手元にある在庫を食べきる」ことが最も重要だと気づきました。
以前は常に冷蔵庫がいっぱいでからになることがなく、奥にある食材を傷ませることもしばしば。そこでまずは基本に戻って、冷蔵庫の中を確認し、残っている食材を整理することを習慣にしました。
買い物前はまず、中身を出して残り物を食べきります。
次に、残っていた材料はスープなどにしてまとめて調理してしまいます。
こうすると新しく買ってきたものと古い食材が混じらず、在庫一掃できてすっきり!
この作業で在庫も把握でき、重複買いも防げます。完璧に使いきれず食材が少し残ってしまうくらいは大丈夫。
私はこのとき、冷蔵庫内をアルコールでふき、掃除もついでにすませます。
●(2) 食品ロスをレシートにマークし、金額を把握する
冷蔵庫整理の次に取り組んだのは、食品ロスの金額を把握すること。
傷ませて捨ててしまった食材、期限が近いので慌てて消費した食材は「本来買わなくてもよかった」もの。私も、おつとめ品や特売でとりあえず買って使いきれず、結局傷ませたり無理に食べることが多々ありました。
そこで、1か月間買い物レシートを冷蔵庫近くに置き、捨てたり、急いで食べた食品があったときはマーカーでチェック。
すると、自分で思っていたより「あわてて食べた食材」が多いことが判明!
月末にマークした金額を合計すると、数千円になり驚きました。「この金額こそ、節約すべき食費だ」と気づいて以来、食品ロスを防ぐことを徹底し、その結果予算を守れるように。
●(3) ストック食材は「まとめ買いリスト」をチェックしてから買物する
振り返ると、予算を守れない原因のひとつが、保存食材などのストック品の買いすぎでした。
1か月単位で食費を管理しているなら、ストックも1か月以内に食べきる量が基本。いつもより少し安いからとストックを増やしすぎると、来月、再来月の在庫を抱えることになるので、当然今月の予算ではたりなくなります。
私の場合は
・乾麺や乾物、レトルト食品は今月中に食べきる分だけ
・調味料系は今月封を切る分だけ
しか買わないと決め、月初めに1回、生鮮食品以外のものをまとめ買いします。
このとき、「まとめ買いリスト」を使い、ストックの残量を確認しながら買うものをマーカーでチェックしていきます。
このリストには常備しておきたい調味料や保存食品が書いてあり、チェック方式なのでメモのし忘れもありません。原本を数枚コピーし、家計簿に挟んで使っています。
順番はスーパーの入り口から近い順に並べてあるので、買い物を最短時間ですませられます。リストは手書きやメモアプリなどでもOKです。
今月必要な量を予測して買っておくので、月の途中で調味料などストック食材をきらすことはほぼありません。
先にストック食材分の予算を決めてまとめ買いしておくと、残りの予算は全て生鮮食品に使えるので食費の管理がとてもラクになりました。
私の場合実家が米農家のため、このまとめ買いに米は含まれませんが、米予算もここに入れておくと管理しやすいと思います。
●(4) 生鮮食品のまとめ買いはマイナス1日分がちょうどよい
肉や野菜など生鮮食品の食材は、予算を決めて1週間分まとめ買いしています。
何度も買い物に行くと「せっかく来たから」となくてよいものまで買いがちなので、なるべくスーパーに行く回数を減らしています。ですがここで1週間分たっぷり買い物をすると、余らせたり傷ませてロスを出してしまう原因に。節約のためのまとめ買いなのに本末転倒です。
そこで今は1週間分より少なめに、6日分を目安に買うようにしています。
それでは1日分たりないのでは? と感じますが、予定が変わって急に外食したりするとペースが狂うので、この買い方に落ち着きました。
とくに子どもが小さいうちは「きらして買いにいくのは面倒」と思い余計に買ってはムダにしていたのですが、「どうしてもたりなければコンビニで一品買ったって、捨てるよりはいい」と割りきって生活したところ、買いすぎない方が快適で、むしろちょうどよく使いきれると気づきました。どのくらいがぴったり食べきれる量なのか、何度か試すうちに量が把握できるようになり、今では1週間でしっかり使いきれています。
●(5) 自分が不得意な食材は買わない
調理や処理が面倒と感じる食材などはなるべく買いません。
元気なときには「簡単なひと手間」でも、仕事後疲れて料理するときには気が重いこともあるからです。そうしてあと回しにすると傷ませる原因になるので、自分の得意な食材以外は無理をして買わないようにしています。
1週間の献立の立て方は、生物や鮮度が落ちやすい葉もの野菜などは週の前半に、後半は日もちする根菜で煮込み料理にしたり、枝豆などの冷凍野菜も活用しています。肉類は冷凍保存を活用しています。
「あの食材、早く使わなきゃ」というプレッシャーからも解放され、疲れているときの料理のストレスも減ってよいことづくめです。
以上の5つの「捨てない」「買いすぎない」ルールを意識するだけで、1週間に1度冷蔵庫がすっきり片づくルーティンができ、元々節約好きな私でも、取り組む前より約1万円は食費が下がりました。
食費を下げたい、でも無理や我慢はしたくないという方は、冷蔵庫の在庫やストックから見直すことをおすすめします。