●コツその1:ネガティブは悪いことではないととらえる

ひとつめは、「ネガティブは悪いことではない」ととらえること。
喜怒哀楽と言うように、人にはネガティブな感情もポジティブな感情も備わっています。どちらかがよくてどちらかが悪いというものではありません。「両方ある」これが正解です。

もしネガティブな感情が生まれたとしても、それは悪いことではなく、「ネガティブに感じることがあった」というだけのこと。そこにあまり意味はありません。
ネガティブに問題が起こるのは、その感情について「これはいけないこと=自分はだめな人」という方程式がめばえ、その結果落ち込んでやる気が出なかったり、ふさぎこんでしまったりしたときです。

「ネガティブに考えた自分はよくない」と考えるのではなく、もう少し客観的に「今ネガティブに考えているな」くらいに思うようにしてみてください。私自身、自分の師匠からこの話を聞いたとき、心が軽くなった覚えがあります。

●コツその2:気持ちと事象を離して考える

ふたつめは、「人はネガティブでは困らない」という考え方です。一瞬「ん?」と思うような言い回しですが、これも事実です。

人が困っているときは「なにかができないとき」。「ネガティブだから困っている」という人がいますが、よくよく話を聞いてみると必ず「そのせいでなにかができない」という状況が生まれています。
本来は物理的にできないことがあって困っているのに、「できないのは自分がネガティブなせいだ」と思ってしまい、結果、「ネガティブな自分が悪人」という図式になってしまうわけです。

これを解消するには、「ネガティブに思っていること」と「実際に困っていること」を切り分けるようにします。
たとえば「人に自分の意見を言いたいけど、言えない」という場面があったとしましょう。このときに「言えないのは自分がネガティブだからだ」はNG。そうではなく事実として「意見が言えない」だけにフォーカスします。

そして原因を探るのではなく「どうすれば言えるのか?」を考えます。そうすると「だれかに代弁してもらう」「メールで伝える」「それとなく伝える」「少しずつ伝える」「本当に言うべきかどうか再検討する」「言わなくてもすむ方法はないか検討する」といった手段がいくか思いつきます。
また「100%できなくても何%ならできるか」を考え、行動するだけでも違います。

●ネガティブに考えるクセは変えられる

できなくて困っていることができるようになれば、ネガティブでもポジティブでも関係ありません。私はコーチングをする際クライアントさんに「なにを思って困っているのかではなくて、なにができなくて困っているのか教えてください」と尋ねます。そしてそれをどうしたら解消できるのかを二人で考えていきます。
こうすることで「すぐにネガティブに考えるクセ」が変化していき、最終的にネガティブ思考で悩むことがなくなります。

ネガティブ思考は継続すればするほど強化されます。いつの間にか「気がついたらネガティブになっている」という状況にならないためにも、この2つを意識してみてください。