睡眠時間はしっかりとっているつもりなのに、朝起きると体がだるくてぐったり。これは、眠りの質が大幅に下がっているサイン。眠り方と目覚め方を見直してみる必要があります。

眠りのプロである東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生と西川東京オフィスのスリープマスターの杉原桃菜さんに、しっかり睡眠をとるコツを聞いてみました。

ちゃんと寝ているのに朝の疲れがつらい…ぐっすり眠るためにできること

寝ている女性を起こそうとしているひつじのキャラクターのイラスト
朝になってもまだ眠い。もしかして眠れていない…?
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●枕が合っていない可能性が。まずは枕の高さのセルフチェックを

「合わない枕を使っていることも、疲れがとれない要因に。横になったときに体重の8%を占める頭を支え、首をきちんと休めるために重要なのが、枕の高さ。立ち姿と同じ姿勢をキープでき、仰向けにも横向きにも適して寝返りしやすいのが理想です。まずは、下のイラストを見て、今使っている枕が合っているかチェックしてみてください」(杉原さん)

枕の高さを比較するイラスト

自然とあごが引けて目線が斜め下を向くような姿勢が理想です。

●朝起きるのがつらいときは、布団の中でお目覚めストレッチを

「なかなか起きられないときは、ベッドや布団で横になったまま、軽いストレッチをするのがおすすめ。ストレスなく目覚めることができ、気持ちよく起き上がれます。下記のストレッチを(1)~(4)の順に行ってみてください。体調に合わせ、無理のない範囲で続けることで、効果を実感できますよ」(杉原さん)

(1)全身の伸び
ストレッチで全身の伸びをするイラスト

仰向けで両足を閉じて頭上で手を組む。息を吸いながら伸びをし、息を吐きながら力を抜く。これを3回繰り返す。

(2)赤ちゃんポーズ
ストレッチで赤ちゃんポーズをするイラスト

仰向けの姿勢で両ひざを曲げ、両手でひざを押さえて胸の方へ近づけ、そのまま深呼吸を5回繰り返す。

(3)腰回りストレッチ
腰回りのストレッチをするイラスト

仰向けの姿勢で両ひざを曲げ、両手でひざを押さえて胸の方へ近づけ、そのまま深呼吸を5回繰り返す。

(4)チャイルドポーズ
四つんばいで両手を肩幅程度に開くストレッチをするイラスト

四つんばいで両手を肩幅程度に開く。お尻を後方に引いてかかとに下ろし、両手を伸ばして深呼吸を5回繰り返す。

●いびきは睡眠負債の最大要因。横向き寝をキープして、いびきを防ぎましょう

抱き枕を使用して横向きで寝ているイラスト

「いびきは、舌が落ち込んで気道をふさぐときに発生する空気の摩擦音。酸素が不足するため、脳は血圧や心拍を上げてフル活動します。その結果、体に負担がかかって寝ても寝ても疲れが増幅することになり、睡眠負債の原因に。

これを防ぐには、舌が落ち込みやすい仰向けではなく、横向きで寝ることが大切です。枕は肩幅の分だけ高く、首もしっかり支えられる横向き専用の高反発枕がおすすめ。さらに、臨床試験では抱き枕と併用して横向き寝することで8割の人のいびきが半減しています」(梶本先生)

●テレビやラジオの予約タイマーや、カーテンを少しあけて目覚めるのがおすすめ

「大音量の目覚まし時計を使うのは、じつは疲れを助長する原因です。深い眠りのときに大音量で無理やり起きるのは体への負担が大! テレビやラジオを小さめの音でタイマー予約したり、少しあけておいたカーテンからもれる太陽の光でだんだんと目覚めるようにしてみましょう。スッキリ起きられますよ」(梶本先生)

睡眠中にしっかり疲れが取れる枕を試してみました!

●横向き寝の体勢がラクにとれる抱き枕

梶本先生が医療用に開発した横向き寝専用の抱き枕。疲れをとるための理想的な横向きの寝姿勢「シムス体位」をキープすることができ、深い眠りを実現。いびき防止にも効果的です。

ラテックスメディカルピロー抱き枕

・ラテックスメディカルピロー抱き枕 全長130×直径20~30cm ¥7344

・専用抱き枕カバー ¥1620(ともに東京疲労・睡眠クリニック)

<編集部で使ってみました>

いつもは仰向け寝ですが、やわらかい抱き心地で、横向き寝が無理なくできました。脚ものせられて腰もラク!(編集・E)