外出先で子どもからちょっと目を離したすきに、いたはずの場所からいなくなっている…。迷子にまつわるヒヤリとした経験をした人もいるのではないでしょうか。現地でできる対策や子どもとはぐれたときの対処法を、セコムIS研究所の舟生岳夫さんに聞きました。

家族でルールを決める
すべての画像を見る(全2枚)

いざというときのために事前にルールを決めて

「迷子は防ぎきれないもの」と考え、なったときにどうするかを決めておくのが大切です。

●出かける前にルールを決め、当日も確認を

「まずは、出かけることが決まった段階で子どもとルールを決めておきます。当日、目的地に到着したら、ルールを子どもと確認しましょう」と舟生さんはいいます。

「子どもが走ってどこかへ行ってしまう前に、『ここで迷子になったらどうすればいいのか』や、危ない場所について話します。敷地があまり広くない場所であれば、はぐれたときの集合場所を決めてもいいと思います。一方、敷地が広い遊園地や、目印のなさそうなバーベキュー場などは、今いる場所から動かないか、連絡手段を決めた方がいい」。
幼児の場合は説明しすぎるとかえって混乱してしまうので、はぐれた場所から離れないよう伝えるのが無難。動かなければ、お父さん、お母さんも見つけやすいそうです。

●声をかけてくれる大人には、どう対応させる?

小さな子どもは迷子になると動揺してしまい、自分の名前を聞かれても答えられないこともあるそうです。
「事前に子どもの名前と親の連絡先を紙に書いて、服のポケットなどの常に身につけられる場所にしまっておくといいですよ。小学生くらいのお子さんであれば、わかりやすい集合場所を決める、連絡手段を確認するなど、ほかの方法も活用できます」。

小さな子どもがひとりで泣いていたら、声をかけてくれる大人もいるかもしれません。そんなときはどうすればいいのでしょうか?
「明らかにお店やレジャー施設の人だとわかるような制服を着ている人の場合は、答えてもいいです。しかし、それ以外の人の場合、どの人がよくてどの人がダメかを判断するのは、大人でも難しい。目的地に到着した時点で、『あの制服を着ている人から声をかけられたら答えてもいいよ』、『お父さん、お母さんとはぐれたら、あの制服の人のところに行こう』と説明します。知らない人の場合は、『この場所から動かないでって、お母さんから言われている』と伝えましょう」。

●子どもが迷子になったら、案内所に行く前に確認しておきたいこと

子どもが自分の視界からいなくなったとき、親はどうすればいいのでしょうか?
「迷子センターや案内所へ行く前に、まずは周辺をよく探してください。どのくらいの時間子どもから目を離していたかを考えれば、だいたいの移動距離はわかります。見つからなければ、案内所へ行く、集合場所へ行くなど、子どもと決めた方法に移りましょう」。

当日、子どもがどんな服装をしていたかを覚えておくこともポイントです。
「目立つ服装をさせる必要はありませんが、『赤い帽子をかぶっている』など、特徴をとらえやすいものを身につけさせると、第三者にも伝えやすいです」。

とはいえ、「こうすれば、迷子にならない」という絶対的な方法はありません。ときには失敗することもあるかもしれませんが、「水場や車通りの多い道路などは別として、命に関わらない程度の失敗であれば、してもいいと思います。『絶対にはぐれないようにしないと!』とガチガチに身構えてしまうと、親子ともに楽しめなくなってしまいますからね」と舟生さんはいいます。
子どもの年齢やタイプ、外出先によって対策はさまざまですが、成長に合わせてルールを一緒に変えていき、親子で防犯意識を高めるのがよさそうです。

舟生岳夫
セコム IS研究所 舟生岳夫さん