インスタグラムなどのSNSでは、華やかなビジュアルのお菓子が大人気。「どうやってつくってるの?」という驚きが、たくさんの「いいね!」につながるのです。

 在仏5年目を迎え、フランス・パリでパティシエとして働くラボレル友里恵さんに、フランスの高級ホテルやパティスリーでブームのビジュアル系お菓子を紹介してもらいました。フランスの伝統菓子「リンゴのタルト」も、今やこんなに華麗な見た目に!

フランスのパティスリーでブームのリンゴタルトって?

タルト・オ・ポム
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「タルト・オ・ポム(tarte aux pommes/リンゴのタルト)」は、昔からフランス人の大好物。タルト生地にリンゴのコンポートと、カットしたリンゴをのせて焼いたシンプルなお菓子で、手づくりする家庭も多く、スーパーやパン屋さんでもよく目にします。

 そんなタルト・オ・ポムですが、今、フランスのパティスリーでブームなのが、従来のシンプルなものから、がらりと変わった、大輪のバラのようなデザインのもの。もとは、某高級ホテルのスターパティシエが考案したもの。見た目の美しさから、またたく間に広まりました。

 一見複雑そうですが、つくり方は意外と簡単で、タルト生地の上に薄く切ったリンゴを一枚一枚花びらを重ねるように並べていくだけ。ちょっとコツがいりますが、100均ショップでも見つかるスライサーを使えば手軽にできます。

 リンゴを大量に使うので食べごたえがあり、リンゴをたくさん消費したいときにもおすすめです。

フランス発!バラのリンゴタルトのつくり方

 それでは、基本のつくり方を紹介します。

材料(つくりやすい分量)

<リンゴのコンポート>
・リンゴ 1個
・砂糖 10g
・レモン汁 少々

・タルト生地(直径16cm・なければ市販のパイシートでも)
・リンゴ 4個
・砂糖 20g
・バター(無塩) 30g

つくり方

(1) タルト生地を、バターを塗ったタルト型に敷き、180℃に熱したオーブンで、表面が乾いた状態になるまで10分ほど空焼きする。

表面が乾いた状態になるまで10分ほど空焼きする。

(2) コンポート用のリンゴを細かく刻み、鍋に砂糖、レモン汁とともに入れ、中火で全体が柔らかくなるまで煮る。途中水分が足りないようなら、水を加える。好みでラムやブランデーなどの洋酒をたすと風味づけに。

(3) (1)のタルト台に、コンポートを全体の1/3程度の高さまで敷きつめる。

(1)のタルト台に、コンポートを全体の1/3程度の高さまで敷きつめる。

(4) 上に飾るリンゴは縦半分にし、芯を除いてスライサーで薄く切る。

(5) (4)のリンゴを、端から円周に沿って重ねるようにはりつけていく。ときどき、手で形を整えつつ、ぐるりと一周したら、その内側にはりつける作業を繰り返す。中心部分は円周が小さくリンゴが折れやすくなるので、薄めにスライスして巻いたものを使う

中心部分は円周が小さくリンゴが折れやすくなるので、薄めにスライスして巻いたものを使う。

(6)砂糖、バターを、様子を見ながら電子レンジで溶かし、(5)のタルトにたっぷり塗る。こうすることでリンゴの乾燥を防ぎ、表面につやが出る。

砂糖、バターを、様子を見ながら電子レンジで溶かし、(5)のタルトにたっぷり塗る。

(7)180℃に熱したオーブンで、40分ほど焼く。

180℃に熱したオーブンで、40分ほど焼く。

タルト型がない場合は、お皿などで抜いた、平たいタルト生地を使っても。コンポートをドーム状にこんもり乗せると、立体感のあるタルトになって、また印象が変わります。

コンポートをドーム状にこんもり乗せると、立体感のあるタルトになって、また印象が変わります

おもてなしのときなど、こんな変わったビジュアルのタルトは、目を引くこと間違いなしですよ。