2LDK、52平米のマンションに家族4人、すっきり暮らしている収納スタイリストの吉川永里子さん。現在は収納スタイリストとして活躍中ですが、独身時代は片づけが苦手だったというから驚きです。「片づけは一生続くもの。だったら、いかにストレスなく、ラクにきれいにできるかを考えようと試行錯誤するうち、コツがつかめてきたんです」。

片づけが苦手だったからこそ編み出せた「ストレスゼロの収納術」のひとつが、「人別に管理する」こと。

「どこになにがあるのかをママしか知らなかったら、元に戻すのもママしかできないことに。人別にゾーン分けしておくと、責任の所在がはっきりし、人まかせにしなくなります」と吉川さん。夫はもちろん、2人の子どもも片づけに参加する、吉川家の人別の収納アイデアを教わりました。

マスキングテープとものの居場所を決めて、人別に管理する収納アイデア

アイデア1 共有スペースは、家族別にゾーンを明確に分ける
アイデア2 家族それぞれのテーマカラーを決め、色で区別する

人別に管理する収納アイデア
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ものを片づけるためには、当然しまう場所が必要。それを決める際、部屋ごとに、人別に場所を決めておくと管理がスムーズにいくそう。

「いざ片づけようとしたとき、人別に場所を分けないと、場所の取り合いになってしまいがち。たとえリビングでも、すべてを共有スペースと考えず、夫婦それぞれの個人スペースもつくっています」

また、小さな男の子が2人いる吉川家では、子どもにもわかりやすいよう、家族それぞれのテーマカラーを決め、ビジュアルでも自分ゾーンを明確にしています。

「マスキングテープで色分けするだけでも一目瞭然。小さな二男でも迷うことなく、しまえます」

●リビングに夫婦それぞれのスペースをつくる

リビングに夫婦それぞれのスペースをつくる

ダイニングテーブル脇に置いた棚の一部は、吉川さんゾーン。「ここでパソコン作業をするので、座ったまま手が届く位置に仕事関連のものをまとめています」。反対のコーナーは、夫の趣味のものをまとめたゾーンに。

●大人の本は、モノトーンのカバーで視覚的に子どもの本と区別

視覚的に子どもの本と区別

リビングの棚で吉川さんが実践しているアイデア。「子どもはカラフルなものに反応するので、触られたくない本にはモノトーンのカバーをかけ、絵本や図鑑とはっきり区別しています」。不思議と子どもは手を出さないそう。

●子どもの部屋にある服やバッグは、兄弟別に色分けしてわかりやすく

子どもの部屋にある服やバッグは、 兄弟別に色分けしてわかりやすく1

長男は紫、二男は緑がテーマカラー。兄弟別に服をしまう引き出しにマスキングテープを色別にペタリ。

子どもの部屋にある服やバッグは、 兄弟別に色分けしてわかりやすく2
リビングやゲタ箱などの散らかりは、マスキングテープと場所決めで手軽に解決!

通園バッグをかけるフックにもマスキングテープで色分け。「ちなみに、引き出しは下二段、フックは低い位置を二男用にして使いやすくしています」。

●こまごまとしたオモチャをしまう箱を兄弟ごとに用意して、紛失防止

こまごまとしたオモチャをしまう 箱を兄弟ごとに用意して、紛失防止

子ども部屋にあるオモチャも、兄弟ごとにしっかりゾーン分け。「子どもがとっておきたいシールやカードなどは、個別の引き出しに自分でしまうのがルール。『どっかいっちゃった』と騒ぐことがなくなりました」。

クローゼット内やゲタ箱内など、ものが集中するところでは人別管理がさらに効果的!

●寝室のクローゼットは夫婦で左右に分けて混在しない仕組みに

寝室のクローゼットは夫婦で左右に分けて 混在しない仕組みに

子どもたちの上着類を中央にかけ、右を妻、左を夫と区分けし、夫婦のオールシーズンの服を収納。「自分のゾーンに入る分だけと決めているので、服がむやみに増えることもないんです」。

出番待ちのお下がり服を兄弟別に保管。

手が届きにくい高い位置には、出番待ちのお下がり服を兄弟別に保管。「紙製ボックスに入れて、タイミングを逃さないよう、中身がわかる大きな文字でラベリングしています」。

同じハンガーのサイズ違いを夫婦で使用。

同じハンガーのサイズ違いを夫婦で使用。「子ども用は木のハンガーですが、かける部分が大人用と同じ金属製をチョイス。かける向きと素材を統一すると動かしやすく、すっきり」。

向きと素材をそろえるとすっきり!
向きと素材をそろえるとすっきり!

ハンガーの向きと素材をそろえているから、片づけのモチベーションが自然と上がります!

カットソーなどは、引き出しの深さに合わせてたたみ、立てて並べて収納。

カットソーなどは、引き出しの深さに合わせてたたみ、立てて並べて収納。「よく着るものを手前側に入れ、引き出しを半分出しただけで、すぐ取れるようにしています」。

●ゲタ箱は、家族別にムダなく収めてひと目でわかる収納に

下駄箱

ゲタ箱の中も人別にゾーン分けして、ひと目でわかる収納に。「取り出しやすい右側に夫、その下に子ども、シーンによって履き替えるため数が多い私の靴は、おもに左側に入れています」。冠婚葬祭用やレイングッズは、上段に家族まとめることに。

ゲタ箱は、家族別にムダなく 収めてひと目でわかる収納に2

夫の革靴は、普通に棚板に置くとかかとがはみ出して扉が閉まらないため、ひと工夫。「奥に突っぱり棒を取りつけ、ここにつま先をのせ、斜めにすることで解決しました」。

ゲタ箱は、家族別にムダなく 収めてひと目でわかる収納に1

長靴と同時に使うことの多いレインコートもゲタ箱に収納。「靴用ラックを使い、下段に入れてセット収納に。ドアをあけてから雨に気づいても、部屋に取りに戻らずにすみます」。

●教えてくれた人

【吉川永里子さん】

収納スタイリスト。夫、長男、二男の4人家族。著書『

あなたもつかめる! もう探さない人生

』(主婦の友社)が話題。個人宅の整理収納レッスンも行っている。ブログ「

片づけはストレスフリーに暮らす近道

」を更新中。