冷蔵庫の中身のしまい方を見直すべきタイミング。じつは1月のこの時期が好ましいのです。これまで、クリスマスや正月の準備で、また、年末の来客に備えて、いわば特別な状態にあった冷蔵庫が落ち着きを取り戻してくるのが今。リセットするには、ぴったりのタイミングなのです。
冷蔵庫を正しく整理・収納しておけば、賞味期限を見逃して食品を食べ残すことも減り節約に。また、家事効率も上がるうえに、家族に「あれどこ?」と聞かれることもなく、日々のストレスが減ります。見栄え以上に、じつはさまざまなメリットがあるといえるのです。
そんな冷蔵庫の整理と収納、どこから手をつければいいのか迷っている人も多いのでしょう。そこで思考や空間を整理するライフオーガナイザーとして活躍する鈴木尚子さんに、お宅で実践する冷蔵庫収納術を教えていただきました。
ものの居場所を決めていつも一定に。迷子もなくなり、家族や自分も使いやすく
仕事と家事で大忙しの鈴木さんのお宅の冷蔵庫は、中身が一目瞭然。
「部屋の収納と同じように、冷蔵庫内も定位置を決めているんです。頻繁に使う定番の食材だけを、決まった場所に入れる。シンプルだけど、それが冷蔵庫を上手に使うコツだと思います。『あれはどこ?』と家族に聞かれたり、まだあるのに買っちゃった、ということがなくなりました」
追求したのは、いかに自分がラクになるかということ。「主婦にとって、機能的な冷蔵庫は強い味方。食材を下処理して入れておくだけでも、だいぶラクになります。大切なのは、自分が笑顔でいられることだから、負担に感じる工夫はなし。無理せず続けられることだけをやっています」。
※棚ごとに入れるものが決まった冷蔵室は、ゆとりがあってすっきり。シンプルに見えるよう、見た目にもこだわっています
A:常備品は上段にまとめて入れる
みそ、バター、梅干し、キムチなど、頻繁に使う食材は、保存容器に移し替えています。「透明容器は残りがわかりやすいし、見た目がきれいでやる気もアップ」。使いかけのルウ(2段目左)や納豆も、常備品としてこのエリアに収納
<みそ>
パッケージの中身をまるごとほうろうの容器に移し替え。持ち手つきで取りやすく、見た目もきれいです
<バター>
初めから10gずつに切れているものを日頃から購入しています。「そのまま容器に移せるし、すぐに使えて便利」
B:飲料のストックを入れる場所をつくっておく
ペットボトルの飲料は2段目、夫婦で飲むビールは3段目に。「ビールはこのケースに入る分だけにし、飲みすぎないようにしています」。ここに入る分だけ、とストックで持つ量のマックスを決めておけば、買いすぎ防止にも
C:下ごしらえしたものやすぐに使うものを入れる場所を確保
高さ的にも取り出しやすい3段目の真ん中は、下ごしらえしたもの、早く食べきりたいものなど、すぐに使いたいものを入れるスペースにしています。「目につく場所にしまうから、使い忘れがありません」
D:子どもも使うものは下段に入れる
卓上調味料やパン用バター、ヨーグルトなどの朝食用セットは、まだ背の低い長女も手が届く4段目に。「自分で取れる場所にあれば、子どもも自分で準備してくれるので助かります」。また、セットにしておくこともポイント。朝の手間がグッと減ります
E:あきスペースがあれば急な手土産などもあわてない
4段目の真ん中は、残り物やいただき物などをしまうスペース。「この場所は必ずあけておくようにしています。お客さまに手土産をいただいても、あわてなくてすみますよ」
F:チルド室内は立てる収納でわかりやすく
軽食用のピザ、チーズ、ウインナなど、入れるものがまちまちなチルド室は、できるだけ立ててパッケージや中身が見えるように工夫。量も入れすぎず8割程度までを心がけます
【鈴木尚子さん】
夫、長男、長女の4人家族。思考、空間を整理するライフオーガナイザーとして、個人宅の片づけなどを行う。著書に『
ママと子どもの心地いい収納』(KADOKAWA メディアファクトリー刊)など