家には冷蔵庫や洗濯機はなし、テレビも観ないときは押入れにしまっていて、月の電気代は500円程度。トイレの水洗にも雨水を利用して水道代も基本料金(1500円程度)をキープしているというのは、省エネ生活研究家のアズマカナコさん。縁側と小さな庭のある古い日本家屋で、家族4人でエコな生活を送っていますが、彼女の生活スタイルの根底にあるのは尊敬する祖母の暮らし方だとか。
「電気も水も無限ではなく、大切に使わないといけないという今の暮らしは、思えば、祖母が普通にやってきた暮らしそのものなんですよね」。東京育ちのアズマさんですが、同じ敷地に祖父母の家があり、小さい頃から一緒に暮らす時間が多かったそう。
そんな彼女が実践している、祖母から受け継いだ「おばあちゃんの知恵」はだれでもまねできる簡単なものばかり。そのままだとゴミになるものを活用したり、自然の力を最大限に利用したり。
今回は、彼女が実践しているエコな暮らしの知恵を紹介します。
エコな暮らしを実現する、おばあちゃんの知恵
●卵の殻を研磨剤にナスのヘタを歯みがき粉に
すべての画像を見る(全3枚)「ものを捨てるのはもったいないと祖母がよく言っていました」。とアズマさん。卵の殻もナスのヘタも干してすり鉢で粉にします。卵の殻は研磨剤として鍋の焦げ落としに、ナスのヘタは歯みがき粉として利用しています。歯ブラシに適量をつけてみがくだけ
●あき缶や新聞紙を使って昔ながらの遊びを楽しむ
あき缶に麻ひもをとおしてつくった缶ぽっくりや余った毛糸で編んだあやとり、新聞紙を細長く丸めた剣に、チラシを切り抜いたお店屋さんごっこセット…。手づくりのオモチャがアズマ家の遊びの主流。「家にあるものもアイデア次第で立派な遊び道具に変身するんです」
●タマネギの皮で染めれば着古した服がよみがえる
シミや汚れが落ちなくなった古い服は植物染めに。たっぷりの水を入れた鍋にタマネギの皮50gを入れて煮出して染液をつくり、服を10分ほど煮て冷ます。次に水3リットルにミョウバン水(ミョウバンを少量の熱湯で溶かす)を加えたものに20分浸して、再び染液に入れて沸騰したら火を止めて冷まし、水洗いする。手染めの味わい深い黄色になりました
●ハギレをティッシュ代わりに活用
ティッシュがなかった頃にサラシを使っていた祖母をまねたアイデア。「ハギレをストックしておけば、子どもの食べこぼしや鼻水をふくときに活躍。ささっと手洗いして乾かせば何度でも使えます」
【省エネ生活研究家 アズマカナコさん】
1979年、東京都生まれ。夫、長女、長男の4人家族。東京郊外で、冷蔵庫や洗濯機、クルマなどを持たずに暮らす。著書に『
電気代500円。贅沢な毎日』(阪急コミュニケーションズ刊)など