ご無沙汰しています、葛西りいちです。千葉の片田舎で主婦をしながらエッセイ漫画やイラストなどを描いてひっそりと暮らしております。26歳で結婚しもう7年目突入…一男一女の母でもあります。趣味を職にすべく、整理・収納アドバイザー2級の資格をと取り、現在、先輩について修行中の身です。

「フタつき収納箱」というブラックボックス【整理収納アドバイザーは見た!】
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おしゃれで組み立てがラク!安価!いいことづくめに思えて…

「きれいに見える!ズボラさん向け整理術」。このような見出しがついた雑誌の特集を、皆さんもよくごらんになっていることと思います。では、実践されている方はいらっしゃいますか?ここでは、よく見かけるけど、たいていやるだけムダになる「絶対続かない整理術」の1つ、「ストレージボックス(フタつきの箱・イラスト参照)」について考えてみたいと思います。

 最近では、ストレージボックスは、おしゃれな雑貨屋さんだけでなく100円ショップなどでもよく見かけます。皆さんも一度は手に取ったことがあるのではないでしょうか?

 木目柄や白を基調としたものがよく雑誌などで取り上げられていますが、子ども向けのかわいらしいプリントのものなど、探せばさまざまな模様があります。たいてい紙(段ボールなど)でできていて、組み立てもラク。しかも安価。いいことづくめのように思えますが…。

実用性はないけど、買うのをやめられない…

 人間には、「アクション数が少ないほど片づけが身につき、アクション数が多いほど片づけは続かない」という習性があります。ネットの特集や雑誌などでは「お気に入りの箱に入れるだけ!リビングに重ねて置いただけとは思えないほどのインテリア性!」みたいなあおり文句があったりしますが…。

 しかし!よーく考えてみてください。もし3段重ねたストレージボックスの、いちばん下の箱に今月号のESSEが入っていたら、取り出すのにいくつのアクションが必要でしょうか?しかも!あなたのご家族があなたの知らない間に2段目と3段目を入れ替えていたら?

 じつは整理・収納の世界でも「なるべくフタつきボックスは使わない」という考え方があります。もしどうしても使う場合は、あまり使用頻度の高くない物を入れたりします。

 流行のわりに、この箱をうまく使いこなしている人を見かけません。クローゼットの上の、季節の帽子を入れるのに使うとか、洋裁で余った端切れや毛糸を入れておくとか(←これは私です)、そのあたりが「使い方の落としどころ」なのです。決して生活の最前線(リビングやキッチン)に置いておくようなものではありません。たとえそのすてきな箱がリビングになじんでも、使い方にはなじまないことでしょう。

 でも、買うことそのものはやめられません。だって、こいうものは、実用性より「癒し」に近いもんだと思うので。

【葛西りいち(かさいりいち)】

1983年生まれの33歳。主婦兼漫画家。夫と子ども2人、チワワ1匹とともに千葉で生活。26歳で結婚とともに整理収納に目覚める。2015年に整理収納アドバイザー2級を取得。2級ではアドバイザーの仕事はできないため、1級所持の先輩にくっついていってアシスタント的なことをやったり、家事代行の仕事をちらほらやりつつ現在1級取得を目指し勉強中。趣味はガーデニングと手芸(とくに樹脂粘土と編み物)。近著に『

零戦少年

』(秋田書店)、『

へっぽこママはギブ寸前!!

』(ぶんか社)。『

本当にあった愉快な話

』(竹書房)で『知りたくなかった!』を連載中。