自分をほめることができない。毒親の子どもであることに一生苦しむと感じる自分がいる
いちばんきつかったのは思春期ですね。母を慕う気持ちは小学校の高学年の頃にはいつの間にか消え失せ、中学時代の私の生きがいはアルバイトでお金を貯めること。いつかこの家から出る日を夢見て、新聞配達を続けました。高校3年で、夢がかなったときの解放感はだけはなんとなく覚えています。それ以外の高校時代の記憶は、ひとつもない。多感な時期の私はさぞ苦しかったのでしょう。だから忘れることでしか身を守れなかったのかもしれません。
ひとり暮らしを始めてからは、実家と距離をおき、家に帰るのは年1回程度。あそこで飛び出さなかったらどういうことになっていたか。がんばった自分をほめてあげたいです。
そう思うのだけど、それができないんです。自分をほめるなんてとんでもない。自己評価がすごく低くて、自分に自信がもてないし、人との関係をつくるのも苦手。結婚し、子どもをもってあらためて「毒親」の影響を感じています。そして、それが生涯、毒親の子どもである自分を苦しめるということも。
私、「バレる」のが怖いんです。私の「育ち」をだれにも知られたくない。友達にはもちろん最愛の夫にも話したことはありません。親しくなるとバレてしまいそうで、こっちから距離をとってしまう。だって、バレたら、みんな私を嫌って離れていくに決まっています。当然でしょう?私だってそんな人間とつき合うのはイヤです。親に対して思うこと、ですか?恨みしかありません。
すべての画像を見る(全3枚)編集部独自のアンケート調査では、6割以上の女性が「一度は母との関係に悩んだことがある」という結果になりました。高田さんの辛い体験を今回明らかにしたのも「苦しんでいるのは自分だけじゃない」と1人でも多くの人が感じてほしいという願いから。毒親という存在をはっきりと認めて、ときには第三者やカウンセラーの力を借りることも必要なのです。