役にたつからがんばれる。介護職で活躍する女性の本音
2019.12.09
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最近、求人サイトなどで目にすることが多い介護のお仕事。やりがいはあるけど大変…というイメージがありますが、本当のところはどうなのでしょうか? 今回は介護の現場で働く2人の女性に、本音を語ってもらいました。

利用者のお役に立てることがこの仕事の醍醐味

利用者のお役に立てることがこの仕事の醍醐味神奈川県小田原市の地域包括支援センターで働く秋山恭子さん。現在は、介護福祉士と社会福祉士の資格を得て、相談員として働いています。
秋山さんが介護の仕事を始めたのは5年前。夫との離婚がきっかけでした。

「いざ働くことを考えたときに、まず思い浮かんだのが社会福祉士の仕事でした。以前、父がALS(筋萎縮性側索硬化症)を患ったときに、社会福祉士の方にサポートしていただいたことが大きな支えになったからです。同じような立場の人を、今度は自分が支える側になりたいと思いました。もともと人の話を聞くのが好きで、カウンセラーのような仕事に関心をもっていたという理由もありますね」

早速、通信教育で勉強を始めた秋山さん。その過程で、資格を取るために約180時間の実習が必要になり、現在勤務する施設との関係がスタートします。

「社会福祉士を目指すにしても、まずは現場を知っておいたほうがいいだろうと思い、あらためてデイサービスのスタッフとしてお仕事を開始。それほど体力に自信があるほうではないので、私に務まるかしら?という不安もありましたが、本当に温かく育てていただいて、思いのほかスムーズに経験を積むことができました。おかげさまで、仕事をスタートして1年ほどで、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の資格を取ることができ、自信につながりましたね」

とはいえ、介護の仕事ならではの大変さを感じることもしばしばだったとか。

「介護はマニュアルどおりにはいかない世界。高齢者にもいろいろな方がいるので、同じやり方が合う人もいれば、合わない人もいます。こだわりが強い方も少なくありません。なので、一人ひとりに納得していただけるよう、サポートの方法を工夫していくことが求められます。ただリクエストに応えるだけではなく、自分の想像力も働かせなくてはならないのだと痛感しました」

奮闘の甲斐あって、この春には介護福祉士と社会福祉士の資格を取得。晴れて目指していた相談援助職となった秋山さん。

「人と関わるのが主な仕事であることは変わりませんが、より知識を求められるようになりました。『この状況ではこの制度を利用したほうがいい』とか、『こうした手続きを踏む必要がある』といった判断は、受験勉強の知識だけでは到底まかないきれません。毎日が勉強ですが、利用者の方の『ありがとう』という言葉がやりがいになっています」

●秋山さんの1日

6:30 起床
   朝食など
7:50 子どもを見送ってから家を出る
8:30 出勤
17:30 退勤
習い事がある日は子どもをピックアップ
18:00 帰宅
   夕食・入浴など
21:00 子どもが就寝
24:00 就寝

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介護のキャリアアップ

リハビリでできることが増えていくのがうれしい

リハビリでできることが増えていくのがうれしい大阪府守口市の介護老人保健施設に勤める新堂真央さんの場合、介護の道に進んだきっかけは、高校生のときに祖母が脳梗塞で倒れたことでした。
祖母の介護のサポートができればと、福祉の専門学校に進学した新堂さんですが、今も勤める施設で在学中からアルバイトを始め、そのまま職員に。現在は勤続10年以上のベテランとして、在宅復帰フロアのリーダーを務めています。

「高齢者と話をするのが好きなんです。いろいろなことを教えてもらえますし、こちらが元気をもらえることもたくさんある。今は在宅復帰支援フロアの担当をしていますが、利用者のできることがどんどん増えていって、それを本人や家族と一緒に喜べるのがうれしいですね」

在宅復帰支援フロアならではの難しさもある半面、そこにやりがいを感じていると話す新堂さん。
「介護というと、できないことを1から10まで助けてあげるというイメージがあったのですが、リハビリの場合は利用者に『以前はできていた動作を思い出してもらう』ことが大切。あくまで自立を前提としたサポートを行っていかなくてはならないので、そのバランスには注意しています。また、利用者が“やらされている感”をもってしまうと、なかなか効果が出ないので、なるべく楽しくリハビリできるような雰囲気づくりを心がけています。たとえば、コップを洗ってもらうといった課題のときは、必ず『ありがとう』と声をかけたりしますね。感謝を伝えるとやりがいにもつながるし、前向きに生きる力にもなると思うんです」

新堂さんが考える、介護の仕事に向いている人は「小さなことに気づける人」だとか。

「介護の仕事では、とても長い時間を利用者と一緒に過ごすので、利用者と信頼関係を築くことがとても大切です。普段のコミュニケーションのなかで、『今日はいつもより具合が悪そうだな』とか、『この人はこの話をすると喜ぶんだな』といった、ちょっとした変化に気づくことができる人なら、利用者にしっかり寄り添うことができると思います」

来年にはママになる予定の新堂さんですが、出産後も仕事を続けていきたいと意欲を語ります。

「子どものいるスタッフは定時で帰れるように配慮してもらえますし、夏休みや春休みにはお子さんを連れて出勤してくるお母さんもいます。利用者の方も、小さい子どもと触れ合うのをすごく喜んでくださるんですよ。この職場なら、仕事と子育てを両立できるなと実感しています」

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●新堂さんの1日

6:30 起床
   朝食・出かける準備
7:45 家を出る
8:30 出勤
16:45 退勤
買い物
17:30 帰宅
   夕食・家事など
23:00~24:00 就寝

このように、介護の現場にはいろんなお仕事があり、いろんなスタイルで女性たちが活躍しています。こうした女性たちのお仕事ぶりを取り上げているのが、『ケアするウェブマガジン ~から』です(「~から」=「からから」と読みます)。ここには介護にまつわる情報はもちろん、赤羽みちえさんの介護漫画や地域での高齢者に対する取り組みなど、たくさんの情報が掲載されています。読み物としても充実している「~から」をぜひ訪れてみてください。

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<取材・文/藤田美奈子 写真/産経新聞社>