探していた地域で、価格も手ごろな中古住宅を見つけ購入。引っ越した直後の大雨で、天井から雨漏りが!天井どころか、屋根の修繕が必要そう!家財道具にも被害発生!もしこんなことがあったら、泣きたくなります。このようなケースは、売主や仲介の不動産会社に賠償請求できるのでしょうか?今回は、2020年の民法改正で明記されるようになった「契約不適合責任」を問えるかという問題ですあなたは、中古の戸建て住宅を購入。引っ越して住み始めた矢先に、大雨で天井から水漏れが発生。天井に大きなシミができ、家財道具にも被害が出てしまいました。この修繕費や損害賠償を、売買契約を結んだ売主と不動産会社に請求できるのでしょうか?では、さっそく答えを解説していきます。

天井から雨漏り
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目次:

ポイントは購入した中古住宅が、売買契約の内容に適合しているか?免責特約つきの中古住宅では、自己負担になるので要注意!契約不適合責任の期限後でも、修理費用が保障されるケースがある隣人がまさかのクレーマー。仲介業者に損害賠償を請求できない!?

ポイントは購入した中古住宅が、売買契約の内容に適合しているか?

不動産の売買契約書

中古の一戸建ての場合、経年劣化で雨漏りなどのトラブルが発生することがあります。

2020年に改正が行われた民法では、「引き渡された中古住宅の品質が、売買契約の内容に適合していない場合、買主は売主に修理を請求できる。売主が修理に応じない場合は、買主は売主に修理費相応の金額の減額を請求できる」と明記されています。
これを法律用語で「契約不適合責任」といいます。

しかし、この責任をずっと課すのは、売主にとって酷な話。そこで売買契約書に、売主が修理費用を負担する期限を定めています。

長いもので引き渡し後1年、短いものでは1か月というケースも。一般的には「引き渡しから3か月内」という記述が多いようです。
ですから売買契約書で取り交わした請求期限内であれば、売主の責任として修理費はもちろん、損害賠償請求も可能です。

※売買契約書に取り決めがない場合、請求期限は、雨漏りがあったことを知った日から1年間

ということで、答えは以下のようになります。

正解…契約不適合責任を問える請求期限内なら、売主に請求できる

免責特約つきの中古住宅では、自己負担になるので要注意!

インスペクション

築古の中古の戸建て住宅の場合、老朽化でさまざまな箇所で支障が出てくる可能性があります。売主からしたら、安い価格で取り引きされるのに、そこまで責任を持てないというケースも。

そういう取り引きでは、契約不適合売責任が免責されるという特約が盛り込まれることがあります。

もし、この特約つきで契約した場合は、売主に責任は問えません。雨漏りの修理費用は買主の負担となります。

中古の戸建て住宅を購入する前に物件をしっかりチェックすること。そして、契約書の契約不適合責任に関する部分を確認することが大事。できれば専門家のインスペクション(住宅診断)を受けた物件を、購入することが望ましいでしょう。

契約不適合責任の期限後でも、修理費用が保障されるケースがある

大雨

中古の戸建て住宅の場合、売主が修理費用を負担してくれる期間は長くはありません。しかし、購入直後に風水害による損害賠償がついた火災保険に加入しておけば、今回のようなケースでも保険で修理することが可能です。

しかし、単純に建物の劣化による雨漏りの場合は補償されません。購入前の物件チェックは念入りに!

隣人がまさかのクレーマー。仲介業者に損害賠償を請求できない!?

クレーマー

中古の一戸建てを購入したら、隣人がクレーマー!仲介業者に責任を問えない?

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