天気のいい日は、お日さまの下でご飯。家にいながら、ピクニック気分も味わえる、バルコニーやデッキテラスが人気です。しかし、素材選びやプランで後悔することも多い場所でもあります。9年前に大手ハウスメーカーで家を建てた、日刊住まいライターもそのひとり。LDKとつながる、広めのアウターリビングがほしいと、バルコニーをつくりました。しかし、快適だったバルコニーも、住んでいるうちに想定外の問題発生。後悔することしきりだと言います。バルコニーを計画されている方は参考に!

リビングとつながるバルコニー
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目次:

メンテナンスがラクなはずの樹脂製のデッキには、思わぬ弱点が!設計段階からバルコニーの日差し対策を、検討しておくべだった!腰壁を外壁と同じ凹凸のあるものにしたら、掃除が大変で後悔!物干金具の設置場所を反省。日常と非日常を分けるとよかったかも!?

メンテナンスがラクなはずの樹脂製のデッキには、思わぬ弱点が!

樹脂製の床材を敷いたバルコニー

わが家の2階バルコニーは、L字型のデザイン。メインの部分が幅4m×奥行約3.5m。その横に幅2.9m×奥行85cmの細長いスペースがあります。LDKからフルフラットで使えるバルコニーが欲しいと思い、広めにとりました。

面積の広いバルコニーになったので、デッキのお手入れがラクで、コスト面でも比較的安価な、樹脂製のエコユニットデッキを選びました。そのほかの選択肢として、タイルや木材も検討しましたが、費用やメンテナンスの面を考慮して除外しました。

樹脂製のデッキ部分が変形!収縮・膨張の少ないタイプを選べばよかった

収縮を繰り返し盛り上がってしまったデッキ部分

樹脂製のデッキ(床)は汚れが落としやすいし、9年目を迎える家ですが変色などの経年劣化は見られません。しかし、変形が気になり始めました。

デッキ部分は、日差しの暑さや冬の寒さを直接受けます。定期点検時に点検員からも、デッキが気温により収縮や膨張を繰り返して、ゆがんでしまうこともあると聞きました。

とくに壁に囲まれたバルコニーはサイズがきっちりとはまるように設計されているので、膨張した際は逃げ場がなり、写真のように盛り上がってしまうとのこと。現在は使っていてとくに支障がないので、経過観察としています。

本格的なバーベキューを楽しめるよう、難燃性のタイプを選べばよかった!

バルコニーに設置した電源

わが家の樹脂製デッキは、火気厳禁のタイプ。火は使えないので、バーベキューをするときに、ホットプレートを使えるよう、電源を2つ壁に設置しました。

しかし、住んでから、火を使って本格的なバーベキューを楽しみたかったなと思いました。樹脂製のウッドデッキでも、難燃性のある種類もあるようです。「バルコニーでこんなことをしたい!」を具体的に考えて、それができるデッキ材を選べばよかったと思います。

設計段階からバルコニーの日差し対策を、検討しておくべだった!

日差しの強いときはパラソルを使っている

前述したようにバルコニーは、暑さ寒さの影響を直接受けます。設計の段階でも暑さ対策を考え、あとづけでなにか簡易的なタープをつければいいかと思っていました。

しかし実際につけようと思って、いくつか購入して試してみたのですが、使いにくかったり、日除けがきちんとできなかったりして、スッキリ解決できませんでした。

今は、日差しの強いときはパラソルを使い、部分的に日陰をつくっています。しかし、風の強いときは飛んでいかないように畳まなければならず、重宝しているとは言えません。

設計段階で固定式のオーニングを取り入れることを、考えておけばよかったと思っています。またはあとづけでも、取り外し可能なものを設置しておくなど、しておくべきだったと後悔しています。

もし、日除けがあれば夏でも快適な場所になることはもちろんですが、デッキ自体の劣化も防げたはず。さまざまな面から設計段階からバルコニーの日差し対策を検討しておくべきでした。

腰壁を外壁と同じ凹凸のあるものにしたら、掃除が大変で後悔!

バルコニーの腰壁は外壁と同じ材質にして失敗

バルコニーの腰壁は外壁と同じ「エコデックウォール」というものを選びました。これはタイルに近く、汚れにくく汚れても水で洗い流しやすいのが特徴。光触媒塗装がされているものなので、セルフクリーニング機能があるものです。また30年間メンテナンスフリーと言われています。

選んだのは凹凸の多いデザインのもの。すでに建てられた家を何件かまわり、外観がどのような感じなのかを、確認して決めたので、とても気に入っています。

しかし光触媒塗装していても、日が当たりにくく、雨水で汚れが洗い流されることもない部分は例外。わが家のバルコニーも腰壁はいちばん汚れやすく、湿気の多い時期はコケもつきやすくなっています。

その掃除をするときに大変なのが凹凸部分。高圧洗浄機を使って落とすこともありますが、高圧洗浄は壁自体を痛めてしまう可能性があるので、使用には気をつけなければいけません。また外壁専用の洗剤とブラシでゴシゴシしても、スッキリとは落とせず、汚れが残った中途半端な状態に。

腰壁と外壁を同じデザインにすると統一感があっていいと思うのですが、バルコニーの腰壁だけでも凹凸の少ない、さらに掃除がラクになるフラットなデザインを選べばよかったと思っています。

物干金具の設置場所を反省。日常と非日常を分けるとよかったかも!?

バルコニーに洗濯物を干していると、生活感が出てしまう

わが家は、面積の広いバルコニー部分に物干金具を設置しています。家を設計する際に悩みましたが、通年でいちばん日当たりのよい場所ということで決めました。

しかしLDKから丸見え。来客時は洗濯物はお風呂場に移動させるにしても、洗濯金具や物干しザオはそのまま。やはり生活感は消せないし、洗濯物を移動させるのも面倒といえば面倒です。

幅の狭いバルコニー部分

もし幅の狭いバルコニー部分をもう少し広げて、その場所に洗濯干しをすれば、生活感のある空間と、アウターリビングのような非日常な空間を、分けることができたと思っています。

家づくりの段階では、わからないことがいろいろあります。快適なバルコニー実現に参考になれば幸いです。