どこか懐かしさが感じられる、レトロなインテリアが印象的なKさんの住まい。約60㎡、2LDKのコンパクトなマンションをリノベーションしました。限られたスペースを有効活用するために、LDKに隣接した個室の壁を引き戸に変更。また、個室を多目的に使えるように工夫するなどして、快適な住み心地を実現させました。
リビングに隣接した個室を多目的に活用
2LDKの間取りは大きく変えていないものの、リビングに隣接した個室の壁をレトロな建具に変えたことで印象が大きく変化。引き戸を開ければ、個室とリビングはひと続きの空間として使うこともでき、面積以上の開放感が生まれました。建具は古道具店で見つけたもので、開口部に合わせてリサイズ。昔の日本家屋のようなイメージに仕上げています。
建具の先には、心地よい光が差し込む和室が広がります。布団派の夫妻は、洋室だった個室を和室に変更。さりげなく壁に立てかけたラックには、夫の好きなCDをディスプレイしています。
和室の床材には、コスト面にも配慮して置き畳を採用。フローリングを一部残すことで、リビングとのつながりが生まれました。
和室の一角には夫のワークスペースを設置。夜は寝室として使い、日中は布団をしまってワークスペースとして使うことで、限られたスペースを有効活用しています。
デスクまわりの壁には有孔ボードを貼って、自在にレイアウトできる収納スペースに。棚をつくりつけて夫の趣味の登山シューズをディスプレイする場としても活用しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
40代夫婦
▼リノベを選んだ理由
妊娠を機に「子育てに適した家に住みたい！」と家づくりを決意。
▼住宅の面積やコスト
専有面積／60.00㎡ 工事費／530万円（税・設計料込み）
念願だった防音室のある個室も実現
リビングと隣接するもうひとつの個室は、あえて素材・色ともに異なる床材をセレクトしました。空間にリズムと奥行きが生まれ、より広がりが感じられます。
個室の中に入ると、白い箱のようなフォルムの防音室が。妻のかねてからの希望がかないました。こちらの個室は夫の趣味スペースと妻のワークスペースを兼ねていますが、防音室がゆるやかにスペースを仕切る役割も果たしています。
オープンクローゼットも妻が希望したもの。天井から床までを用途別に3分割にし、妻の洋服や身の回りのものを使いやすく収納しています。サイドに貼った大胆な柄のクロスが空間のアクセントに。
キッチンはリビングとの統一感にこだわって
キッチンは、使い勝手や掃除のしやすさを考慮して、通路の幅を広く。また、リビングと雰囲気を合わせるために、タイルの色や背面収納の素材にもこだわっています。
キッチン背面にある収納の横には、折れ戸つきのリビング収納があります。以前は個室側の収納だったものを、扉の位置を変えてLDK側から使えるようにしました。リビング周辺の小物をはじめ、インターネット用のルーターなどもしまえるので、いつも空間をスッキリと保てます。
木材や木目柄のアイテムでレトロな雰囲気に
洗面台と洗濯機との間に立てた有孔ボードは、「Instagramなどで使っているお宅を見て、取り入れたいと思っていた」といいます。パーツを組み合わせることでさまざまな収納のアレンジが自在で、レトロな雰囲気も魅力的です。
浴室の天井には木目柄のクロスを、床にはレトロな柄のクッションフロアをチョイスして遊び心をプラスしました。
「イメージが明確だったので、膨大な数の素材の中からひとつひとつ選ぶのも苦にならなかった」というKさん夫妻。好きなインテリアを実現しつつ、柔軟な発想でスペースを有効活用し、快適な住み心地も両立した住まいとなりました。
間取り（リノベーション前後）
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工／スタイル工房
上質な自然素材を取り入れ、年月を経ても快適に暮らせるリノベーションを目指す。価格と工期のバランスを重視し、環境を大切に考えたエコな家づくりに定評がある。物件探しからのワンストップサービスや資金計画のサポートも対応OK。浜田山店、南青山店、横浜店の3店舗を展開。
撮影／小川 聡 ※情報は「リライフプラスvol.40」取材時のものです
