住居確保給付金という支援制度をご存知でしょうか?離職や収入減少で家賃の支払いが難しいという人に家賃相当額を支援してくれる制度。その支給には条件があり、家族の人数によって給額も変わります。この給付金が、コロナ禍が長引いたことにより、給付期間の延長となりました。FP2級の資格を持つ海田幹子さんに詳細を教えてもらいました。

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目次:

住居確保給付金が9か月間から12か月間に期間延長!大幅に収入が減少した人必見!住居確保給付金を受け取る要件とは?厚生労働省のページをチェック!住居確保給付金の申し込み方

住居確保給付金が9か月間から12か月間に期間延長!

離職や収入減少で家賃の支払いが難しい

まずは住宅確保給付金の制度、給付金額の上限、期間延長について詳しく見てみましょう。

住宅確保給付金は「生活困窮者自立支援制度」の支援の一環

住宅確保給付金とは、平成27年4月に始まった「生活困窮者自立支援制度」の支援のひとつ。離職や大幅な収入減少で家賃が払えない人に対し、家賃を補助してくれる制度です。

令和2年4月20日に支給対象が拡大され、離職や廃業をした人に加えて、個人の責任や都合によらず離職や廃業程度まで収入が減少した人でも申請できるようになりました。給付金額は、市区町村ごとに上限が定められており、家賃が満額支給されるとは限らないので注意しましょう。

支給上限額は市区町村や世帯の人数によって違う

支給上限額は、市区町村ごとに決められており、世帯の人数によっても差があります。ここで東京都特別区の場合を参考に見てみましょう。

  • 世帯の人数1人:5万3,700円
  • 世帯の人数2人:6万4,000円
  • 世帯の人数3人:6万9,800円

自分が住んでいる地域の上限が知りたい場合は、市区町村のホームページで調べてみてください。

給付は最大9か月。ただし、申請ずみの人はさらに3か月延長が可能に

住宅確保給付金の支給は、原則3か月間で2回の延長が可能、つまり最大9か月間の家賃補助を受けられました。しかし、長引くコロナ禍で令和3年1月1日以降は3回目の延長が可能になり、最長12か月の支援が受けられます。

3回目の延長を申請できる人は、令和2年度中にすでに申請をすませ受給が開始した人に限られており、世帯の預貯金額が基準額の3月分を超えず、求職活動を行えることが条件です。

大幅に収入が減少した人必見!住居確保給付金を受け取る要件とは?

大幅に収入が減少

ここで、住宅確保給付金が受け取れる要件を詳しく見てみましょう。

  1. おもな生計維持者が離職・廃業後2年以内。または個人の責任や都合によらず離職や廃業程度まで収入が減少している場合
  2. 離職・廃業した人は、ハローワークへ求職の申し込み、職業相談、企業への応募や面接を行うこと
    収入が減少している人は、家計改善や職業訓練など生活再建のための求職活動を行うこと
  3. 直近の世帯収入合計額が、市区町村民税の均等割が非課税になる額の12分の1、かつ家賃の合計額を超えていないこと
  4. 世帯の預貯金合計額が、市区町村の定める額を超えていないこと

住宅確保給付金を受け取るためには、上記の4つを満たす必要があります。少々の収入減少では受け取れないということを覚えておきましょう。

厚生労働省のページをチェック!住居確保給付金の申し込み方

住宅確保給付金の手続きの流れ

住宅確保給付金を申し込むときは、まず生活困窮者自立支援機関に問い合わせてみましょう。生活困窮者自立支援機関は、自治体や自治体の委託先が運営しています。詳しくは、厚生労働省のウェブサイトにある「申請・相談窓口」をチェックしてみてください。

申請には以下の4つの書類が必要です。

  1. 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  2. 収入が確認できる書類(給与明細、公的給付金の証明書など)
  3. 預貯金額が確認できる書類(預金通帳の写しなど)
  4. 離職、廃業、就労日数、就労機会の減少が確認できる書類(離職票、離職証明書、廃業届など)

住宅確保給付金についてはフリーダイヤルの相談窓口も開設されているので、何か分からないことがあったら電話で聞くこともできます。

新型コロナウイルスの猛威が止まらない現在。離職や大幅な収入減少の影響で、家賃の支払いが難しいという人は、住宅確保給付金の制度の利用を検討してみましょう。給付金には上限がありますが、きっと助かる人も多いはず。少々の収入減少では申請できませんが、いざというときのために制度のことを覚えておいてください。

教えてくれた人/海田幹子
ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母。分かりやすくてためになる記事を心掛けている

厚生労働省の「住居確保給付金」に関するページ

写真/PIXTA(2、3枚目)