日常生活の拠点となる自宅。じつはケガの発生場所として上位にランキングされるほど、様々な危険が潜んでいます。ある統計によれば、1年間で1割ほどの人が、自宅で転倒を経験。そして、戸建てでの転倒事故の割合が若干高くなるという結果に。ここでは、階段を踏み外して骨折してしまった日刊住まいライターが、その時の様子と家づくりの振り返りについて語ります。落とし穴は、意外なところに!危ないのは子どもや高齢者だけではありません。
すべての画像を見る(全3枚)普段は通らない三角ゾーンを踏み外して骨折
家の階段を踏み外し、私が足の指を骨折してしまった現場がこちらです。ほぼストレートの階段なのですが、下3段の踏み板の一部が三角になっていて、90°左に向きを変えて降りる形になっています。
普段は問題なく上り下りしている階段なのですが、骨折した日はなぜかこの三角の部分を踏んで降りてしまったんです。普段は通らない証拠に、いつもこの場所にはホコリが溜まっています(笑)。
この赤く囲った三角形の部分だけ踏面が狭くなっているので、大人の足だと載り切らずに踏み外してしまう危険ゾーンだったようです。
「階段で骨折」というと、高いところから転げ落ちてしまうような印象を持つ方も多いかもしれませんが、踏み外したのは床からたったの50㎝ほどの高さ。こんなに低い場所から落ちただけでも、簡単に骨折してしまう危険があるのです。
家庭内の事故で亡くなる人の数は交通事故よりも多い、などというニュースをたまに見かけますが、他人ごとではないと実感させられる出来事でした。
友人が遊びにきた日にインコースを通ってしまった
足を踏み外したのは数年ぶりに会う友人が自宅に遊びに来た日でした。2階から下りるときに、なぜか普段通らないインコースを通ってしまったのです。今思えば早くおしゃべりしたくてウズウズしていたんでしょうね。
これは「うっかりしていた」としか言いようがありません。毎日何度も上り下りしている自宅の階段を、まさか踏み外すなんて私自身思いもしませんでしたから。
その後すぐに病院へ行きたいところだったのですが、わざわざ遠方から来てくれた友人を帰すわけにもいかず、ジンジンする痛みに耐えながら数時間お茶を飲みながらおしゃべりしました。
違うタイプの階段にしていれば、とちょっぴり後悔
家を建てるときは、できるだけリビングを広くしたいという考えがありましたので、一番省スペースになりそうなこの階段を選びました。
他のタイプの階段を選んでしまうと理想の間取りにならなかったり、階段を大きくしたせいで全体の坪数が膨らんでしまう可能性があったのです。
でもあのとき「このタイプの階段を選んでいなかったなら階段を踏み外すこともなかったはず」と、時折ちょっぴり後悔しているのも事実。骨折をして数年たった今も、季節の変わり目に古傷が傷むこともなかったのかも、と悔やまれます。
これから家づくりをする方は、そうしたことも視野に入れた上で階段を選ぶといいと思います。