雑誌やウェブサイトなどを見ていると、中古マンションをリノベーションして、開放感のある空間を手に入れた家族のレポートがたくさん載っています。リノベは構造部分(躯体)のみを残していわゆる「スケルトン」にして施工する場合もありますが、多額の工事費がかかります。今ある間取りをなるべく生かして自分好みに仕上げる方法をとる人のほうが多いでしょう。また、リノベの自由度を高めるには、なるべく広い物件を探したいですよね。リノベ用の物件探しにはどんなポイントがあるのか、宅地建物取引士で不動産会社に勤務する吉井希宥美さんに聞きました。

目次:

1.中古マンションはリビングが狭いケースが多い2.新築マンションの専有面積は狭くなる傾向にある3.おトクに開放感のあるLDKを実現するポイント4.まとめ

1.中古マンションはリビングが狭いケースが多い

個室
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リノベをする際には、既存の間取りをよく理解する必要があります。
同じ専有面積の中古マンションと新築マンションを見学すると、新築マンションのほうが広く感じることがあります。このように感じるのは、リビングの広さの違いが原因と考えられます。

築30年前後のマンションの場合、個室は比較的広め。6畳くらいあるケースが多いようです。いっぽうリビングは、それほど広くなく、キッチンと合わせて12畳程度の物件が多く見られます。

築年数の浅いマンションの場合は、LDKが20畳近くあるものも少なくありません。そのかわり、個室は6畳に満たない場合が多いです。

これは、「リビングで家族が集うのを重視した家づくりをハウスメーカーが行っている」「住宅の気密性が増し、開放的な空間をつくりやすくなった」など、生活スタイルの変化を住宅のつくり手が間取りに反映させているためです。

広いリビングが希望で、リノベは最小限で済ませたいならば、築浅物件の購入を考えるとよいかもしれません。

2.新築マンションの専有面積は狭くなる傾向にある

LDK

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現在、全国で供給されている分譲マンションは60平米 ~70平米台の3LDKタイプが主流ですが、専有面積は景気動向や地価推移の影響を受け、広くなったり、狭くなったりします。

東京都都市整備局によると平成30年の1戸当たりの平均住戸専有面積は、東京都全体では 64.18平米、区部で62.78平米、多摩で70.28平米。
いっぽう、10年前の平成20年は都全体では70.83平米、区部では69.54平米、多摩では75.44平米となっています。

建築費と地価が上がったことが原因となり、年々、マンションの専有面積は狭くなる傾向にあるようです。
もし、家全体の面積が広いマンションが欲しいなら、平成12年から20年頃に建てられたマンションを探してみましょう。

3.おトクに開放感のあるLDKを実現するポイント

工事中

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比較的安価にLDKを広くするために、個室とLDK間の壁を1か所だけ取り払う方法があります。3LDKの場合、壁を取ることで2LDKする、という具合です。
この場合、LDKが個室に挟まれている間取りよりもバルコニー側にLDKが配置されている物件のほうが、水道管を動かさずに済むケースが多くなり、安価にリノベできる可能性があります。

また、リノベの際に建具の高さを高いものに変更すると、部屋が広く感じられます。180センチメートルのものと240センチメートルのものでは、240センチメートルの建具のほうが広く見えるのです。

ただし家の構造上、高い建具がつけられない所もあるので、専門家と相談してください。

4.まとめ

間取り図

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リノベを行う場合は、購入するマンションがどんな間取りかによって、希望通りの部屋がつくれない場合がありますので注意が必要です。

リノベの自由度を重視するなら面積が広めの築10~15年のマンション、なるべくコストダウンしたいなら水道管工事が少なく済むような間取りのマンションを選ぶとよいでしょう。

ファイナンシャルプランナー(AFP)/宅地建物取引士一般社団法人/家族信託普及協会®会員 吉井希宥美

【参考】
※ 東京都都市整備局「土地・建物の状況