台東区にある築40年のマンションで緑の借景を楽しみながら暮らしているのは、「イリヤプラスカフェ」と「イリヤプラスカフェ カスタム倉庫」のオーナー・今村ナオミさん。結婚したタイミングで購入したこちらの家を、その時々の暮らし方に合わせて3回のリノベーションを重ねてきました。

陽当たりのいい南西角部屋
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余白を残したままのリビングダイニング玄関はひと続きの土間廊下に陽が降り注ぐ真っ白な寝室

余白を残したままのリビングダイニング

3DKだった間取りは1回目のリノベーションで1LDKへと生まれ変わり、この大空間が誕生しました。南東角部屋で二面採光のLDKは、照明を点けなくても明るさは十分すぎるほど。晴れの日はもちろん、太陽が出ていない日も照明なしで過ごせるそうです。

そして、ダイニングには大きなテーブルがありますが、左奥のスペースは余白をたっぷり残したまま。

ソファは置かないんですかとお聞きしたところ、「ソファがあるとそこで寝ちゃうから」というチャーミングなお答えが返ってきました。また、今後引っ越しをすることを考えると、ソファがあると身軽に動けないため、あえて置いていない、という理由もあるのだそう。

ストレッチができる広々リビング

その開放的なスペースでは、毎朝ストレッチを行うのが日課。さらに、週に1日はパーソナルトレーナーに来てもらって、体をメンテナンスしています。

カフェでの仕事は長時間立ちっぱなしが日常的。時には鍼にも行ったりして、ご自身の体をしっかり管理されているそうです。

カーテンで目隠ししたクロゼット

その奥のカーテンを開けていただくと、たくさんの洋服がお目見え。こちらにはもともと何もなかったのですが、3回目のリノベーションで梁下にハンガーポールを設置して、オープンクローゼットにしました。

さらに、天井にカーテンレールを設置して、レースカーテンでゆるく目隠し。扉を開け閉めするよりも、スムーズに洋服が選べて気に入っているそうです。

また、ずらりと並ぶ洋服が彩り豊かなものばかりだったのですが、聞くと「休日はお店では着られないような洋服やヒールのある靴を選んで、テンションを上げて出かけているんです」と今村さん。洋服でオンオフの切り替えを楽しんでいるようです。

そして、カフェでの立ち仕事が大変だから、休日はゆっくりされているのかなと思いきや、「休日だからといって、家でダラダラ過ごすことはほとんどありません。友達と会ったり、夫と映画に出かけたりと、外出する方が好きなんです」とのこと。

こんなお話からも、今村さんがカフェオーナーというオンの顔と、妻でありひとりの自立した女性であるオフの顔をメリハリつけて楽しんでいることが感じられました。

玄関はひと続きの土間廊下に

小窓のある玄関

玄関入って正面には寝室、そしてそのまま土間廊下が続いて、水まわりやLDKへとつながっています。もともとはタタキのある一般的な玄関でしたが、段差をなくしてタイルを貼ってひと続きにしました。

シューズボックスは大容量で、傘入れも兼用。玄関には小窓があるうえ、寝室からの光が届くのでほどよく明るい空間です。

廊下と水まわり

クランクした土間廊下の先に進むと、左手に水回り、正面にLDKがあります。右側の一見壁に見える部分は引き戸になっていて、開けてみるとリビングスペースとひと続きに。開放しておけば水回りにもたっぷり陽が届きます。

水回りの壁やトイレのドアには木をふんだんに使って、ナチュラルな雰囲気に。当時のままというレトロな洗面台が、手作り感あふれるこの空間にお似合いです。

陽が降り注ぐ真っ白な寝室

陽の当たる寝室

玄関の正面にある寝室も二面採光なので、とっても明るい空間で照明いらず。収納はリビングと同じく、オープンクロゼットをレースカーテンで目隠ししています。入居当初は、こちらをワークスペースとして使っていて、リビングスペースに夫がDIYしたロフトベッドで寝ていたのだそう。

ひとつの空間を3回もリノベーションするのは珍しいですよね、とお聞きすると、「リノベーションを繰り返すことで知識が増えて、快適に暮らせる要素もどんどん分かってきました。家が経年変化するのと同時に、住んでいる人のライフスタイルも変わる。それに合わせて、家も変えていけばいいと思います」と今村さんは話してくれました。

撮影/水谷綾子