主婦業のかたわらエッセイストとしても活動する若松美穂さんが、楽しく、豊かに暮らすためのさまざまな工夫をつづります。

「すねる」よりも「伝える」…がわかりやすい人間関係をつくる

皿洗いの様子
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以前から、母がよく「わが家は心地がいいね」と言ってくれるので、考えなくてもいいけれど、その理由を共に考えてみました。

いろいろと話しているうちに、ひとつ見つけた“わけ”があります。

それは「むつける」人がいないこと。過去はどうあれ、今はいません。

そもそも「むつける」ってなに? という方に説明すると。

私の出身地・宮城県の方言で、検索すると

「いじける・すねる・機嫌を損ねる・ふてくされる」などと出ます。

むつけることで、人は相手に“こちらのなにかを察して”と伝えているのかもしれません。

私も結婚してしばらくは、かなりの確率でしていたと思います。

●むつけても、案外伝わらないもの

けれど、案外伝わらないもので(汗)。

あるとき、夫のなにかに腹が立ち、ガチャガチャと音をたてて食器を洗っておりました。
(腹を立てた理由も忘れるくらい前のことです)
もちろん「私の不満を察してよ」という気持ちを込めて。

そのとき、夫に言われた言葉が衝撃的でした。

「君って雑だよね」

察してほしくてあえてしていることが、私のダメなところになっているじゃないですか。

ショックでしたけれど、理由がわからない夫にしてみればそう感じますよね。

その時思ったのです。こんなこと意味がない、やめましょう…と。
伝えないことは伝わらない。言葉に出して伝えるのがいいよねと。

●慣れれば自然にできるようになる

すぐの変化は難しいですけれど、積み重ねていれば、慣れて自然とできるようになるものです。

「調子が悪い」「疲れている」「手伝ってほしい」「つらい」「今日は限界」
こういったメッセージは自分も伝えますし、家族もみんな、伝えてくれます。

ああ、ホルモンの関係ね。疲れてるんだ。
そうか、外で嫌なことがあったのね。
今、困っているんだ。悩んでいるんだね…。

理由がわかると、こちらも、「そっとしておこう」とか、「できることはなに? 手伝うよ」「考えるより、今日はおいしいものを食べて寝ましょうか」と、対応策も見つかります。

だれかに察してもらえるまで、モヤモヤした時間を過ごすより、今の自分の状況や気持ちは伝えた方が、本人が楽。そして周りも困惑せずにすむのかもしれません。

【若松美穂(わかまつみほ)】

お金をかけずにセンスと工夫でおしゃれに暮らすカリスマ主婦読者として、生活情報誌『ESSE』や『サンキュ!』などで紹介され人気者に。2011年、心理カウンセラーの資格を取得。主婦業のかたわら、エッセイストとしての執筆活動のほか、講演、各メディアへの出演など多方面で活躍。夫と娘2人、母親の5人家族。埼玉県在住。公式サイト「

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