●シミ取りレーザー
シミやホクロなどのメラニンのみに反応するレーザーを照射し、この熱によってメラニンを破壊します。照射後はシミやホクロが黒っぽいカサブタのようになり、1週間ほどで自然にはがれおちます。またレーザー熱の刺激により、真皮層にある幹細胞が活性化することから、肌の弾力物質であるコラーゲンやエラスチンなどが生成されます。つまりシミだけでなく、ハリのある若々しい肌へと導く総合的な美肌施術と言えるでしょう。
街の皮膚科ではシミだけでなく、レーザーによるホクロも除去施術も行われています。まれに「保険診療でホクロをとった」なんて話も聞かれますが、ホクロや一部のアザは医師により健康や生活に影響があると診断された場合のみ健康保険での治療とされます。
私は美容クリニックと街の皮膚科の両方でシミ取りレーザーを行っているのですが、照射数は同じでも街の皮膚科だと始まりからお会計までの時間がとても短い印象です。パシッとレーザーをあてたら、すぐに処置室をでないと次の患者さんが待っているのでほかの施術をオススメされる暇もありません。そういう点でも、初めての美容医療は街の皮膚科がいいかもしれません。
●医療脱毛
最近ではワキ脱毛を数千円で行うクリニックも増えてきました。医療脱毛は毛(メラニン)のみに反応するレーザーなどを照射し、この熱によって毛を生やす組織を破壊します。レーザー機器によって痛みは異なりますが、もっとも一般的なものは単発でレーザーを照射するショット式で「輪ゴムで肌をはじかれたような痛み」といわれています。痛みに弱い方は低出力のレーザーで毛根に熱を蓄え脱毛を行う、蓄熱式レーザー機器を検討してもよいでしょう。
エステサロンによる格安脱毛の広告をよく目にしますが、エステサロンは医師法によって「毛根の破壊」は認められていません。そのため、あくまで減毛や抑毛となり、繰り返しの施術が必要となる場合があります。
●ピーリング
加齢などで乱れた肌代謝(ターンオーバー)により表皮に古い角質が残ってしまうことがあります。これにより肌がくすみ、乾燥やニキビを生じることも少なくありません。ピーリングは薬剤やピーリングマシンにより不要な角質を人工的にはがす施術です。不要な角質を穏やかに除去し、くすみや毛穴のつまりなどを改善。ザラつきのない透明感のある肌を目指します。
街の皮膚科のピーリングは、美容クリニックほど薬剤種類が多くないかもしれません。また顔のみのピーリングしか行っていない場合があるので、背中やヒップをピーリングしたい! という方は美容クリニックに問い合わせてみてはいかがでしょう。ちなみにピーリングは美容クリニックでも安価な施術ではありますが、ピーリング後に保湿だ美白だと美容薬剤をあれこれ追加してしまい、お会計の際にびっくり、なんていうことも…。
●ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸とはヒトの体内にもある物質です。そのため、アレルギーなどのトラブルは少ないとされています。ヒアルロン酸注射にはさまざまな種類があり、目元の小ジワにはやわらかいヒアルロン酸製剤、ほうれい線などの深いシワには溝をしっかり盛り上げる硬めのヒアルロン酸製剤が使用されます。また、注入直後から効果がわかることが特長とされる施術です。
ヒアルロン酸注射でひたいを丸く、または鼻筋やあごの形を整える施術もありますが、
これらの形成術は街の美容皮膚科で行うことは少なく、希望する際は美容クリニックへ相談しましょう。
●ボツリヌス注射
ボツリヌス菌から抽出したタンパク質(ボツリヌトキシン)が有効成分です。治療部位に注入することで筋肉を緊張させている神経の働きを抑え、ひたいの横ジワや口まわりの笑いジワといった、いわゆる表情ジワを改善するとされます。また、ボツリヌス菌は食中毒の原因菌ではありますが、ボツリヌス菌そのものではないため感染などの心配はなく、眼瞼(がんけん)けいれんなどの一般医療にも使用される薬剤です。
シワ取り=ボトックス注射、といったイメージがあるかもしれませんが、ボトックスとは米国アラガン社の商標となります。
美容医療に興味があるけど踏み出せない方は、まずは街の皮膚科(美容皮膚科)で治療をしてみてはいかがでしょうか。もしそのクリニックが一般皮膚科として通院したことがあるのであれば、顔見知りのドクターや看護師さんにお肌の悩みを相談できるため安心です。
また美容医療の効果はメリットとともにデメリットも少なくありません。いつもの皮膚科で気軽に行える美容施術でもドクターに腫れなどのダウンタイムを質問し、健康的な若々しい肌を目指しましょう。