閉経をはさんだおよそ10年間は更年期とされ、人によりさまざまな心身の変化を感じる時期。
元編集者・ライターで、現在はボディセラピストとして活躍する日比響子さんも、少し前から更年期に起きがちな症状を感じるように。ここでは、自身の更年期障害に気づいた経緯や具体的な症状、治療に至るまでについて語っていただきました。

腕をおさえる様子
更年期に気づくきっかけになった手足のこわばり(※写真はイメージです)
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これって更年期障害? 痛みとこわばりに不安を感じ、整形外科と婦人科を受診

更年期はだれしも通過するものとわかっていたし、これまでに家族や知人の体験を見聞きもしていました。編集者・ライター時代には取材経験もあり、予備知識もありました。それでも、いざ自分に訪れてみると、頭と体と心のズレる感覚にとまどいを禁じ得ず…。
現在54歳、更年期の症状にぶつかって半年を過ごしてきた私の体験と考察を記しました。どなたかの参考になれば幸いです。

●緊急事態宣言中にそれは起きた

風薫る5月、ランニング(のあとのビール)が趣味の私は、いつもならラン仲間とあちこち走りに出かけるのが恒例のゴールデンウィークですが、今年はコロナ禍緊急事態宣言中。

外出もままならず、運動不足解消にと早朝に近所をゆるくジョギングしていたら、途中右足で小石を踏み、「いたっ!」となりました。
そのときはたいしたことなかったのですが、翌朝起きると指のつけ根が少し腫れていたので、冷やしたり湿布をはったり。走れないほど痛いわけではないし、走り始めは違和感あっても、しばらくすると平気になるのでそのままジョギングを続けていたのですが、数日経っても腫れはなかなかひきません。

そんなある日、両足をながめていたら、左足の側面のところがポコッと出っ張っていることに気づきました。そういえば、最近、靴を履いたときになんとなく当たる感じもしていたのです。

足

気づいた当時撮った写真です。わかりづらいですが、右足の丸囲み部分が腫れていて、人差し指と中指の間が広がっています。左足の丸囲み部分、出っ張って少し赤くなっていました。

●最初はリウマチを疑った

左足についてはぶつけた記憶もなく、これは整形外科で診てもらうかと思いつつ、とりあえずネットで部位や症状で検索してみると、(あれ、リウマチの可能性も?)と引っかかりました。

リウマチは関節の痛みや腫れ、こわばりを引き起こすとあり、そういえばここ半年ほど手がこわばる感じがあったことを思い出しました。手のこわばりについては、更年期によくあることと聞いてたので、それまであまり気にとめてなかったのですが、じつはこのところ、足の症状とともに少しずつこわばりが強くなり、痛みも感じ始めてたのです。

リウマチは放っておいて進行すると関節の変形や脱臼を引き起こすこともあると知って怖くなり、まずは病院だ! と近所のリウマチ科のある整形外科へ行きました。

●リウマチの検査結果を受けた結果はグレー

レントゲンを撮り、血液検査をした結果、たしかに腫れてはいるけれど骨に異常はなく、炎症反応もなし。今の症状だけでリウマチとは言いきれないと。ただし発症したときに進行が早い素因があるので(抗CCP抗体の数値が高い)、定期的な検査はした方がよいとのことでした。

「マグマ抱えた休火山てとこですかね。いつ噴火するかわからないし、このまま噴火せずにすむかもしれない」と。痛みや腫れはあるので投薬をどうするか聞かれたのですが、このときには、リウマチでないとしたら更年期障害の症状かもしれないという思いがあり、婦人科でも一度診てもらってからにしたいと先生に伝えました。

「そうですね、更年期によるものなら一定期間過ぎたら症状は治るかもしれませんしね」と先生も承諾してくれ、次は更年期外来のある婦人科に予約を取りました。

●更年期障害がひどかった母や姉

目頭をおさえる女性
母も姉も更年期の症状が辛そうだった(※写真はイメージです)

思い返せば、私の母も姉も、更年期は辛そうでした。

母は39歳で私を、40歳で妹を出産。私が高校生になると、よく母が寝込むことがありました。「具合悪いの?」「病院行けば?」と聞いても「寝てれば治るから」と布団に入りきりで、1、2日すると何事もなかったように家事をするのですが、いかにもだるそうでしたし気分もふさぎがちな様子。