夏は睡眠の質が低下しやすい季節。長引く自粛生活で生活リズムが崩れて、快適な眠りが得られていないと感じる人も多いようです。悩める人たちがどのような睡眠の悩みを持っているのか紹介しつつ、睡眠の質を高める方法を東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生に教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)夏の睡眠の悩みを正しく解消!医師が教える睡眠の質を向上させる方法
●みんな睡眠に悩んでいる!ESSE読者300人に緊急アンケート
ある 73%
ない 27%
「忙しくて十分な睡眠時間がとれない」という人のほか、「寝ても寝ても疲れがとれない」、「寝具が合っていない」などの悩みを抱える人も。
1位:蒸し暑くて寝苦しい
2位:夫が暑がりでエアコンが寒い
3位:寝ても疲れがとれない
とくに夏は悩みが増加する傾向が見えてきました。
●医師が警鐘を鳴らす!睡眠不足は免疫力低下にも
「睡眠の質が下がると、病気から体を守る免疫力も低下する」と警鐘を鳴らすのは、梶本先生。
「じつは、睡眠不足になるとウイルスに感染するリスクが3倍も高くなり、体内に入ったウイルスや細菌などを排除する“抗体”をつくる反応も半分になることがわかっています」
ではなぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
「睡眠不足や睡眠の質の低下で疲れがたまると、ストレスや緊張で優位になる自律神経の交感神経が過剰に働き、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが分泌されます。このホルモンには免疫力を抑える働きがあります。また、交感神経が優位になると、リンパ球が抗体をつくる働きも衰えてしまうのです」
睡眠時間が十分でなかったり、睡眠の質が悪くなると、ウイルスや細菌から体を守る力が衰えて、病気にかかりやすくなってしまいます。
<POINT1>睡眠の質が下がるとウイルス感染リスクも増・ウイルス感染リスクが3倍アップ
・抗体をつくる反応が半分になる
・免疫を抑制するストレスホルモンが増加
<POINT2>免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる!●病気をやっつける!免疫力を高めるための睡眠3か条
免疫力をアップして病気に負けない体をつくるには、睡眠の質の向上が不可欠です。守るべき、3つの心得とは?
【その1】最低5時間半は眠ること睡眠時間は、7時間がもっとも死亡や病気のリスクが低いといわれています。
「ただし、睡眠は時間の長さではなく質の方が大事。質のよい睡眠とは、朝起きたときに疲れがとれている睡眠のこと。質さえよければもう少し短い5時間半の睡眠でもかまいません。最低限この時間は確保を」
【その2】就寝は何時でもOK!起床時間を一定に就寝時刻は何時であろうと、健康への影響はなし。
「疲労を回復する成長ホルモンは、寝始めの3時間にもっとも多く分泌されるので、寝る時刻は何時でもよく、寝始めに深い睡眠がとれればOK。ただし、起床時間は一定な方が自律神経のバランスが整うので、なるべく同じ時間に起床を」
【その3】安心・安全・快適な環境で眠る寝るときの環境も重要なポイント。
「良質な睡眠は、安心・安全・快適な空間で寝ることで得られます。暑さや寒さは睡眠の質を下げるので、寝室は、自分が快適だと思える温度に調整を。また、パートナーとは別々のベッドに、できれば別々の部屋にするのが睡眠にとっては理想的です」
睡眠の質を高めることは健康への近道! 睡眠習慣を改善して、暑さや病気に負けない体をつくりましょう。