なんか調子が悪いけれど、医者に行くほどでもない、行ってもなかなか解消しない、そもそもこれって病院に行っていいの…?

そんな体の悩みにおすすめの食の養生法を教えてくれると話題なのが、神戸の漢方薬局・CoCo美漢方に勤務する傍ら、ツイッターで日々の体トラブル解消法をつぶやいている田中友也さん。
フォロワー9万人の田中さんに、この時季知っておきたい不調の改善法を教えてもらいました。

焼きみかん
焼きミカンで冷えからくる肩こりを解消
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焼きミカンに紅茶うがい…おいしい漢方で薬に頼らず不調を改善

田中さんは、国際中医師。
「中国から伝わった医学(中医学)が、日本で独自に発展した伝統医学が漢方です。漢方の治療法は、漢方薬だけと思われがちですが、薬膳、鍼灸、養生など薬に頼らない方法もたくさんあります」

●肩こり・頭痛は焼きミカン&蒸しミカンで血流から改善

コタツでミカンイラスト
風邪の予感がしたらコタツでミカンは正しかった!

冷えて血流が滞りやすいこの季節、焼きミカンで冷えからくる肩こりを解消しましょう。ミカンは薬膳では甘味・酸味の特性をもつ食べ物で、体の余分な熱を逃がす涼性にあたり、血の流れをよくします。
焼いたり、蒸したりして火を通すと、さらに効果が高まって肩こりや頭痛、生理痛も軽減。つくり方は以下の通り。やけどに気をつけてあつあつを食べれば、体がポカポカしてきますよ。

【焼きミカン&蒸しミカンのつくり方】

ミカン数個はよく洗って水けをふく。
・焼きミカン→トースターに入れ、約10分、皮に焼き目がつくぐらいまで焼く。
・蒸しミカン→皮に数cmの切れ目を入れ、電子レンジ(600w)で約30秒加熱する。蒸し器を使って加熱してもよい。

●せき止めにはミカンの皮(陳皮(ちんぴ))+ショウガのホットドリンクを

干しみかん

この時季安くて箱買いしたいミカン。皮も優秀な食材なので、捨ててしまうのはもったいない!

ミカンの皮を干したものは、陳皮といって昔から親しまれてきた漢方素材なんです。

せきや痰を鎮める効果が期待でき、むいた皮を2~3日干したらショウガと煎じて飲みます。

皮についたワックスなどが気になるなら、塩でミカンを揉んでさっとゆで、冷水で洗い流してからつくって。陳皮を温かい紅茶に入れて飲んでもいいですよ。

【陳皮のホットドリンクのつくり方】

陳皮6g、おろしショウガ6g、水500mlを鍋に入れて火にかけ、半量になるまで煎じる。はちみつ適量を加え、一日3回に分けて飲む。

●のどの痛みは大根飴ですっきり爽快に

大根飴

のどの痛みには、大根飴で薬膳的なアプローチを。痛みを緩和し呼吸をラクにするはちみつと、のどの炎症を鎮める作用をもつ大根の相乗効果で、のどからくる風邪をひき始めで防御してくれます。

【大根飴のつくり方】

1cm角に切った適量の大根を清潔な密閉容器に入れ、はちみつをひたひたに注いで一晩置くだけ。大根がしわしわになったらできあがり。
はちみつを適量のお湯で割って飲み、大根もそのまま食べます。
冷蔵庫に入れ、2~3日で食べきりましょう。

●風邪かなと思ったら、殺菌力の強い紅茶うがい

紅茶

風邪のひき始めは、紅茶うがいで菌を水際でストップ!

紅茶には殺菌力のあるテアフラビンという物質が含まれていて、ウイルス感染予防に役立つという研究があり、水道水でうがいをするより効果的です。

また、ほんのり香る紅茶の香りに癒やされ、気持ちもリラックス。

本格的に風邪をひいて医者の世話になる前に、ゆっくり体を休めてブロックしてしまいましょう。

【紅茶うがい液のつくり方】

紅茶200mlを1リットルのぬるま湯で薄めた液をつくり、毎日ガラガラとうがいをします。
「体の内側からアプローチする食の養生は、毎日の食事でおいしく健康改善でき、その季節ごとに取り入れられるので、一年12か月を通して親しんでいただけると思いますよ」と田中さん。
著書

『CoCo美漢方 田中の12か月のおいしい漢方~日々の食事で不調を改善~』

(扶桑社刊)では、ほかにも親しみやすいハウツーがたくさん掲載されています。ぜひチェックしてみてください。