寒さがきつくなると「古傷が痛む」とよく言います。とくに関節痛、なかでも「ひざが痛い」という人は多いようです。
日本において「ひざ痛」の悩みを抱える人はとても多く、早い人では40代から始まります。女性は50代半ばから、男性は60代半ばから急増します。
そんなひざ痛に有効として注目されているのがコラーゲン。ここではその理由と、コラーゲンが効率的にとれるレシピを紹介します。
中高年世代の国民病とも。コラーゲンを摂取してひざ痛を回避
●コラーゲンのピークは20代。50代は20代のときの約70%までに減少
ひざ痛の原因としてもっとも多いのが、変形性膝関節症。
日本における変形性膝関節症の推定患者数は、自覚症状がある患者で1000万人、自覚症状がない人も合わせると3000万人にも達し、中高年世代の国民病ともいわれます。
「変形性膝関節症の原因は加齢。関節は骨と骨とを連結させ、なめらかに動かす役割を担っています。ジョイント部分である骨と骨の表面は、水分をたっぷり含んだ軟骨で覆われており、この部分がクッションの役割をしています」と話すのは、コラーゲン研究の専門家、城西大学薬学部教授の真野博さん。
年をとると軟骨がすり減ってクッション機能が低下し、土台となる骨が変形してしまい、その結果、痛みを感じるようになります。
「そこで、重要になってくるのがコラーゲン。コラーゲンには関節の軟骨細胞に働きかけ、ひざの変形にストップをかける作用があることがわかっています」(真野さん)
●50歳を過ぎて突然ひざの痛みに襲われ…
ESSEでもおなじみの料理研究家・小田真規子さんは、50歳を過ぎて、突然ひざ痛に苦しむようになったといいます。
「湿布などの対症療法ではなく、体の中から治すことを決意し、食生活を見直しました。関節のケアに役立つというコラーゲン豊富な鶏手羽先を中心に、いろいろな素材を調べ、毎日食べることにしたんです」(小田さん)
・鶏手羽先
・鶏手羽元
・豚スペアリブ
・鮭(皮あり)
・ブリ(皮あり)
・イワシ(皮あり)
・ウナギの蒲焼き
・シラス干し
結果、痛みも消え、今ではほとんど痛みを感じなくなったそうです。
小田さんがとくによく食べていた料理が「鶏手羽先の黒酢煮込み」。ここでは特別にレシピを教えてもらいました。
●鶏手羽先の黒酢煮込み
酢で煮るのはコラーゲンを効率的にとれるおすすめの調理法。黒酢で煮込むとさっぱりなのにコクうまで、肉もホロホロのやわらかさに。
黒酢がなければ普通の酢でも代用可能です。
【材料(2人分)】
・鶏手羽先 8~10本(400~450g)
・A[ニンニク2かけ 赤唐辛子(種を除く)1~2本 黒酢1カップ 砂糖大さじ5 しょうゆ大さじ3 粒コショウ小さじ1]
【つくり方】
(1) 手羽先はキッチンバサミで関節の先から切り落とす。
(2) 鍋に(1)、Aを入れてよく混ぜ、強火にかける。煮立ったら中火にし、途中何度か上下を返し、照りが出るまで12~15分煮る。とろみがつき始めたら絶えず上下を返す。
<ポイント>(1)で落とした先は取っておけば、スープのだしとりなどに活用できます。
1日にとりたいコラーゲンの量は5~10gだそう。まずは食生活を少しずつ見直すことで、「ひざ痛」予備軍から脱却しましょう!
小田真規子さんの新刊
『ひざ痛になりたくなければ、お食べなさい』(扶桑社刊)には、煮込みや鍋など、ひざ痛を防ぐレシピが多数掲載されています。こちらもぜひチェックしてみてください。