2019年4月、高齢者が運転していた車が、池袋で母子の命を奪うという重大な事故が発生しました。被害者遺族の「少しでも運転に不安がある人は、運転しないという選択肢を考えてほしい」と切実に訴えていた姿は、多くの人の心に突き刺さったのではないでしょうか。
今回、ESSE読者にアンケートを募り、自身の車の運転における不安や親世代の「免許返納」について実態を調査しました。
ヒヤリとしたその一瞬がすべてを奪う…。日常生活の運転の実態
すべての画像を見る(全2枚)今回、20~50代の読者278人に運転に関するアンケートを実施。
「自分の運転技術は5点満点で何点だと思いますか?」という質問に対して、「5点」と答えたのはわずかに7人。
ハイスコアで回答した人も含め、多くの人が車に乗っていてヒヤっとした体験を持ち、現役世代であっても運転にさまざまな不安を抱えていることが判明しました。
●車に乗っていてヒヤっとした体験談
「反対車線が工事中で、停車していたトラックへ荷物を積んでいた方が突然倒れた。1歩間違えばひいてしまったかもしれない。ほんとに驚きました」(アルバイト・44歳)
「主人がギアをニュートラルのままサイドブレーキを引かずに運転席から離れてしまい、車が動き出してしまいました。助手席に乗っていた私は焦ってなにもできず、前方の壁にぶつかり止まりました。だれかを巻き込まなくてよかったです。とっさに助手席からブレーキを踏めないものだなと実感しました」(アルバイト・45歳)
「子どもにイライラしながら車を運転していたら、家の門柱に思い切り突っ込んでしまいました。新築したばかりだったのに…」(その他・32歳)
自分がどんなに注意をしていても、相手の予測不能な動きによって巻き込まれてしまうこともあります。この質問のなかでとくに目立ったのが高齢者に対しての危険です。
●予測不能な動きをする高齢者たち
「時間指定一方通行を逆走する近所の高齢者の車と正面衝突寸前でした。この方は自宅前に進入禁止看板があるのに逆走常習者で、地域ですごく困っています」(自営業・45歳)
「右折車線で待機していたところ、自転車のおじいちゃんが車道にフラフラ出てきました。びっくりしつつ、ゆっくり追い越しましたが、今考えると認知症などの可能性で警察に通報した方がよかったのかと悩みます」(主婦・39歳)
危険を察知しても、その都度、警察を呼ぶわけにもいきませんし、個人が注意するのはトラブルのもとにもなりかねません。こういった事例は対応がなかなか難しい場面でもあります。
みんなはどう考えている?親世代の免許返納問題
今回のアンケートでは、高齢の親や親せきに免許返納をしてほしいと考えている人が161人とじつに半数以上にのぼっていることも判明しました。しかし、実際に免許返納に至らない背景にはどんな理由があるのでしょうか?