自由気ままに行きたい場所を旅する「ひとり旅」。憧れたことがある人も多いのではないでしょうか? 鉄道旅には「切符」が必要不可欠ですが、遠距離ほどおトクになる買い方があるそう。駅弁と寝台特急とこよなく愛する、「ひとり鉄道旅」歴17年の漫画家&文筆家のやすこーんさんに詳しく教えてもらいました。

みどりの券売機
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切符を買うときに知っておきたいこと

列車に乗るときに買う「乗車券」。指定席券売機や、みどりの窓口で買う紙の切符だけでなく、Suicaで改札をタッチする場合も、「ICカード乗車券」として支払っています。まずはその乗車券について、知っておいたほうがよいことを書き出します。

●101km以上で途中下車OK

乗車券は長い距離を買うほど、どんどんお得になります。つまり遠距離になるほど1kmあたりの運賃が安くなるわけです。さらに101km以上であれば、途中の駅で下車が可能に。改札の外に出ることができます。

たとえば、東京から大阪へ東海道本線の普通列車で向かうとします。その途中の名古屋で降りて1泊し、あんかけスパを食べてから大阪に行きたい。そのような場合、東京~名古屋、名古屋~大阪と乗車券をわけて買ってはいませんか?

これは東京~大阪まで、1枚の切符ですみます。運賃を見てみると、わけて買った場合は東京~名古屋は6380円、名古屋~大阪は3410円で、合計9790円。東京~大阪をひとつづきで買えば、8910円。なんとこれだけで、約1000円も違いが出るのです。

東京から大阪の道のり
書籍『食べて飲んで ひとりで楽しむ鉄道旅』(玄光社刊)より

なおかつ、東京~大阪間の距離は556.4km。101kmを超えているので、途中下車ができます。途中下車は、一方通行であれば何度でも可能。東京を出発して熱海で降りて温泉に入り、静岡まで行って「炭焼きレストラン さわやか」のハンバーグを食べ、それから名古屋に行ってもいいのです。

●切符は有効期間がある

そんなにゆっくりしていたら、大阪に着く前に切符の使用期限がきれるのでは? とご心配かもしれません。でも大丈夫です。切符には有効期間があって、100kmまでは1日、200kmまでは2日、400kmまでは3日、600kmまでは4日……と以降200kmごとに1日増えていきます。

つまり東京~大阪までの距離は556.4kmなので、切符は4日間有効。東京~大阪まで、途中下車して泊まりつつ、3泊4日の旅をしてもいいということです。

切符の表面に有効期間が印字されているので、よく見てみましょう。ただし、東京、大阪、新潟、仙台、福岡の「大都市近郊区間」内のみを普通乗車券で利用する時は途中下車ができず、有効期間も1日となります。「下車前途無効」と印字されているものも同様です。