ものが少ない暮らしに憧れるものの、つい衝動買いをしてしまう人も多いはず。「ミニマリズムの価値観をもっていますが、好きなものをよく買う」と話すのは、50代の人気エッセイスト・小川奈緒さん。ここでは小川さんが「ちょうどよい量」をキープするために心がけることや、上手な手放し方を紹介します。

※ この記事は『家で整う』(集英社クリエイティブ発行)に掲載された内容を一部抜粋・再編集して作成しています

50代・小川奈緒さんの「もちすぎない暮らし」を紹介
50代・小川奈緒さんの「もちすぎない暮らし」を紹介(写真:安彦幸枝)
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少なすぎず、もちすぎない

つい増えがちな器も定期的に整理。奥や下に重ねたものも取り出しやすければ、全体をまんべんなく使えます
つい増えがちな器も定期的に整理。奥や下に重ねたものも取り出しやすければ、全体をまんべんなく使えます(写真:安彦幸枝)

ミニマリズムは流行を超えてひとつのスタイルとして定着した感があり、ものが少ない暮らしほど美しい、という価値観が一般化したように思います。

私自身もそうした価値観をもってはいますが、ものが多いことが一概によくないとも思いません。好きなものをつい買ってしまうのは、私の場合はファッションアイテムや食器。この2つに関しては計画性とはほど遠く、衝動買いもしょっちゅうしています。

コンパクトな暮らしに合うものを選び直したい

ものを前にして「これが欲しい」と強い思いが湧いてくること、逡巡した結果「えいやっ」と購入を決めることは、いずれも人生を情熱的に生きている証とも思うのです(都合のよい言い訳かもしれませんが)。

ミニマリズムを心がけるにしても、たくさんあったものを減らしていって最後に残ったもので暮らすのではなく、コンパクトに暮らすのに最適な道具を新たな視点で選び直したい。

私は買い物が好きだし、それでも物欲はいずれ自然に減っていく気もするので、欲しいものが見つかるうちは、まだ人生のそういう段階にいるのだと捉えて、ものを買うという行為を楽しみたいと思っています。

ひとつ買ったら、ひとつ手放す

ダイニングテーブル隣の造りつけ収納には、今はヨガマットや体をほぐすグッズ、YouTube視聴用のiPadなどをまとめています
ダイニングテーブル隣のつくりつけ収納には、今はヨガマットや体をほぐすグッズ、YouTube視聴用のiPadなどをまとめています(写真:安彦幸枝)

ただ、ものを適量にしておく意識だけは引き締めています。そうでないと、あっという間に自分の管理能力を超えてしまうからです。ひとつ買ったら、同じ用途のものを同じ数だけ手放す。入れものに心地よく収まる量の中で新陳代謝をくり返すイメージです。

●余白がある=選ぶ楽しみがある

最近、なにかにつけ余白の大切さを感じますが、ものの適量を決める上でも、「ちゃんと余白が確保されているか」が見極めのポイントになります。

余白があるということは、すなわち、選ぶ楽しみがあるということ。たとえば、食器棚に器がぎっしり収まっていたら、手前にある器しかスムーズに取り出せないので、頻繁に使えるのはひと握り。そこにあるたくさんの器はすべてお気に入りにもかかわらず、選ぶ楽しみも、使う喜びも半減。原因は量が多すぎるからです。

冷蔵庫も同じ。内部に余白があって、庫内に今なにがあるかをすぐ確認できれば、奥の方で見落とされて古くなっていく食材は生まれようがありません。冷蔵庫こそ、最も新陳代謝を活発にしておきたい場所です。