シェイクスピア劇への出演は「ついにそのときが来たな、と」
すべての画像を見る(全3枚)料理でも、作品でも、時間をかけて形にしていくプロセスが好きだと語る染五郎さんが、この春挑むのはシェイクスピアの四大悲劇のひとつ、『ハムレット』です。祖父・松本白鸚さん、父・松本幸四郎さんも演じてきた役だけに、作品への思いも自然と深まっているといいます。
「ハムレットは祖父からの縁ですが、シェイクスピア劇そのものは“ひいひいおじいさん”の代から演じているので、いつかは自分も通る道だろうと思っていました。だから今回お話をいただいたときも、ついにそのときが来たな、と」
演出を手がけるのは、デヴィッド・ルヴォーさん。海外の演出家とタッグを組むのは初めてです。
「ルヴォーさんの作品は拝見していますが、ほかにはない世界観を持った方。今回のハムレットも、今までにないものになるんじゃないかと思っています。ポスターのビジュアルを見ても、従来のハムレットのイメージとは違いますよね。皆さんにも『いつもと違うハムレットになるんだな』と期待していただけるんじゃないかと思います」
「歌舞伎役者だから」と考えすぎないように
古典でありながら、今に至るまで長く愛されてきたという点では、シェイクスピアと歌舞伎には通じるものがありますが、演じる際にそれを強く意識することはないそう。
「歌舞伎でも、それ以外の作品でも、ひとつの作品をつくるという意味では同じ。『自分は歌舞伎役者だから』と考えすぎるのは、一緒につくる方々にも失礼な気がして。今は共演者の皆さんといい作品をつくって、お客様に届けることだけを考えたいです。初めてご一緒させていただく方ばかりなので、お互いがどんなものを持ち合って、どんな化学反応が生まれるのかも楽しみですね」
ESSE読者に向けての“観劇のヒント”は?
最後に、「歌舞伎に興味はあるものの、なにから観ればいいのかわからない」。そんな人に向けて、観劇のヒントをたずねてみました。
「最近ではマンガやゲームが原作の歌舞伎も増えています。よく『歌舞伎役者がやれば、なにをやっても歌舞伎になる』と言われますが、そうした新作にも歌舞伎の要素はきっちり入っているので、そこから“歌舞伎らしさ”を感じていただければ。歌舞伎にもいろんなジャンルがあるので、そこを入り口にしていろんな作品を観ていただき、ご自分の好きな歌舞伎を見つけてもらえたらうれしいですね」
