イタリアやトルコの「お風呂事情」は

ローマのカラカラ浴場
ローマのカラカラ浴場(画像素材:PIXTA)
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そこで、「温泉が出る国はお風呂が好きなんじゃないかな?」と思い、イタリアやトルコでのお風呂体験を思い出してみました。

いずれも水着着用必須で、お風呂というより温水プールのような温泉でした。

イタリアのお風呂の歴史は古く、ローマ郊外、『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ・作)でさらに有名になったカラカラ浴場(西暦216年)は、当時の皇帝が公衆浴場としてつくったという、ローマ人のお風呂愛を象徴するような建物でした。世界遺産としても有名で、古代ローマの浴場文化を垣間見ることができます。

当時のヨーロッパの風俗を描く『図解 不潔の歴史』(キャスリン・アシェンバーグ・著)をひもとくと、ローマ人は清潔を愛した一方で、同時代を生きたスパルタ人は「風呂は子どもや病人などしか入らないもの」とありました。

清潔と不潔はブームのようなもので、ローマ人もこのあと、キリスト教化するなかで「不潔であることが聖人たるゆえんである」、「ペストから身を守るために体を洗わない」とトンデモ化していきます。

一方、トルコでは、パムッカレの石灰岩の棚田状の温泉があります。ここでは水量が少なく、今は足湯しかできません。

また、15世紀にオスマン帝国の支配下となったイスタンブールでは、イスラム教の「清潔さは信仰の半分である」とした経典の教えにのっとって、ハマム(公衆浴場、蒸し風呂)が建設されました。

日本ほどお風呂に入る民族の方が世界的には珍しい

モロッコのハマム
モロッコのハマム(画像素材:PIXTA)

新疆ウイグル自治区のスパや、中央アジア・カザフスタンでのスーパー銭湯、モロッコのハマムなど、世界各国でお風呂に入ってきたけれど、よく考えたらどれも「毎日入る」といった施設ではなかった気がします。

そう考えると、日本人が毎日お湯をはって、湯船につかって、体を洗って、お湯を抜いて、バスタブを掃除するという情熱がいかにすごいものかわかります。

「風呂キャンセル界隈」なんて言葉があるけれど、「お風呂に入ったらすごくえらい」になってもいいくらいだと思います。ましてや首のすわらない赤ちゃんを毎日お風呂で洗うというのは、偉業としてたたえてもいいと思います。