満員電車の中や着替えのタイミングなど、ふとした瞬間に自分の胸の汗のにおいが気になったり、洋服や肌がベタベタしたり…と悩むことはありませんか?

じつはこれ、加齢やストレスが原因。ここでは専門医に、におってしまう理由や、対処法を教わりました。

女性が鼻をつまんでいる様子
胸の汗がくさい?と思ったら…
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胸の汗がくさい!その原因はストレスかも

胸の汗は常に下着と密着しているので、蒸れてしまい、においの原因に。
体臭・多汗研究所所長の医師・五味常明先生は、「脇汗ほどは多くありませんが、胸の汗を気にしている患者さんも確実にいます」と話します。

●皮脂やアカと混ざることで悪臭に

汗はもともとにおいが強いものではありませんが、皮膚にある皮脂やアカなどと混ざると、細菌がにおい物質をつくり出します。汗をかいたまま放置することで、皮膚の常在菌が汗や皮脂などを分解し、きついにおいが発生するのです。

「胸はブラジャーをしていて汗が蒸発しにくく、胸のTゾーンは皮脂腺が多いということもあり、汗と皮脂が混合されると『脂っぽい汗のにおい』になることがあります」

●「くさいかも」と思うこと自体がストレスに

ストレスを感じている場合、「精神性発汗」により汗が出やすく、においがきつくなっている可能性があるそう。

「育児や家事や仕事で感じるストレスだけでなく、自分のにおいがストレスとなりさらに発汗につながることも。胸の大きい女性は汗が胸の間にたまりやすいため、余計に汗が気になり、精神性発汗につながりやすいようです。また太った女性も、脂肪が断熱剤となり放熱ができず体温が上がりやすいため、一気に汗がどっと出て、汗がたまりやすくなります」

●生理前や更年期も注意

ほかには生理前に、ホルモンの影響で皮脂腺が刺激を受け、皮脂の分泌が多くなり、においが強くなることがあります。

45歳~55歳前後の更年期の方も注意が必要。
「更年期によく見られる症状であるホットフラッシュ(更年期多汗症)により、汗がどっと出ることがあります。ホットフラッシュは、下半身に汗をかかない分、胸から上に汗が多くなります」

胸の汗のにおいを抑えるためにできること

●衣類の選び方を工夫する

出てしまった汗をできるだけ早く蒸発させるために、衣服はなるべく薄いものを身につけて、衣服の中の湿度を高めないようにします。
「ケアをしている安心感をもつことで、においに対するストレスが軽減し、精神性発汗を抑える事にもつながります」

●ブラジャーの選び方を工夫する

下着は、吸水性や速乾性に優れた綿素材のものを選びましょう。
「最近では吸水性や速乾性がいっそう高められ、におい成分を吸着してくれるような新素材も開発されているので、素材に注目して下着を選ぶといいでしょう」

●着替えるタイミングでパウダーケア

お出かけ前や洋服を着るタイミングで、パウダーケアを習慣化することもおすすめ。
「ミョウバン配合(制汗金属塩フリーのもの)のマイルドな制汗剤を使うとより効果的です。ミョウバンにはすぐれた制汗効果があり、身近で安心なデオドラント剤です。制汗効果だけでなく、皮膚が弱酸性に保たれ、ニオイの原因になる雑菌の繁殖を抑制する効果があります」

夏だけでなく、厚着になる秋や冬も汗対策は必須。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。