ともに大切な人を失い、傷ついたふたりの男女の喪失と再生を描いたラブストーリー映画『楓』。12月19日に公開された本作で、主人公を支える友人役として出演中の俳優・宮沢氷魚さんに、映画への想いから忙しい日々でのリフレッシュ方法などを教えてもらいました。

宮沢氷魚さん
俳優・宮沢氷魚さんにインタビュー
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喪失を感じたときこそ、強く生まれ変わるチャンス

宮沢氷魚さん

スピッツの名曲から着想を得て、大切な人を失ったふたりの男女の姿が描かれる映画『楓』。今作のテーマのひとつとなるのが、人生における「喪失感」についてです。

「かけがえのない人やペット、ものなど、日々の生活のなかでなにかを失った経験はだれにでもあるはず。でも、大切なのは、それらを失ったとき、どれだけ前向きに希望を見つけて突き進んでいけるか、ですよね。映画でも主人公のふたりが悩みながらも新たな道へと歩んでいく姿をとおして、自分自身の生き方のヒントを感じ取ってもらえたらなと思います」

仮に大きな別れを経験することになった場合、自分ならどうするか。今作で宮沢さんが演じた梶野のように、丁寧に言葉を選びながら答えてくれました。

宮沢氷魚さん

「正直、僕自身は人生において大きな喪失をまだ経験していないので、もし、自分が同じ立場に置かれたら、どうなるかはわかりません。ただ、喪失は再生と紐づくものだと思うんです。もちろん、大切な存在であればあるほど、失ったら、強い苦しみや悲しみが生まれるはず。でも、そんなときこそ、何倍も強く生まれ変わるチャンス。悲しみを乗り越えた先に、新しい自分が待っているんじゃないかと信じています。また、思い出や経験は決して消えることはありません。大切な存在と一緒に過ごした時間を、心のどこかに大切にしまっておくことはできるんじゃないでしょうか」